Vol.7 | ツアープランナー

「“旅” の体験から生まれる、新たなライフスタイル」河辺 健太郎 (前編)

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“人生を変えた、見知らぬ環境”

世界中を旅して、体験してきた“感動や驚き”をツアーとして提供するのが僕の仕事です。そんな世界に興味を持つキッカケとなったのが、中学生のときに体験したアメリカの「サマーキャンプ」でした。子供の頃の自分はいたって普通な子だったと思います。中学生のときは池袋に住んでいて、土地柄ヤンチャな仲間と遊んだりもして、年齢相応の青春を送っていました。

13歳のときに、母親が僕の先行きを心配してアメリカに行くことを勧めてくれました。アメリカには、小学校のときに別れた親友が住んでいて、「彼も参加するサマーキャンプにあなたも参加してきなさい」という内容でしたね。それを受けて、僕はただ海外に行けてラッキー!くらいの感覚ですぐOKして渡米しました。それが僕にとっての初海外ですね。しかもいきなりの一人旅でした(笑)。

アメリカに到着して、友達と遊ぶだけかと思いきやそこには世界中から300人ぐらいのキッズが集まる大きなサマーキャンプで、年齢ごとでグルーピングされることになり、親友とは別々になったんです。そこで毎日ヨットの乗り方や乗馬、銃の撃ち方など、日本ではなかなか体験出来なようなことまで訓練する日々を送っていました。

 

グローバルから見た、自分への劣等感

そこでフランス人の男の子と友達になり、お互い気が合ったこともあって、彼は僕にこう言ってきたんです。「将来一緒にビジネスをしよう」って。僕は彼のこの発言にものスゴイ衝撃を受けたのを今でも鮮明に覚えています。僕や周りの友達は、好きな女の子や芸能人のことぐらいしか話をしていなかったから、本当に同じ“13歳”なのか!?と、とにかく驚きました。

オマケにフランス人の彼は5ヶ国語も話せるほど賢い。。彼と僕では“将来へのヴィジョンの持ち方”が根本的に違っていたんです。それから日本に帰ってきて、遊びにせよ、何をしても、僕の中でどこか“しっくり”こない感覚がつきまとうようになりましたね。多分彼から受けた将来へのヴィジョンを、僕も自分なりに持ちたくなったのかもしれません。

それから高校生になった僕はとにかくバイトをする日々を送りました。カラオケやガソリンスタンド、飲食など、様々なバイトをこなしてはお金を貯金。そしてその資金で海外旅行に行く。それが僕の高校生活のライフサイクルでしたね。

“試行錯誤よりも即行動”

そんな人生を送りながら19歳になったとき、お金を稼げない男という理由で、当時付き合っていた彼女にふられまして(笑)。それを機になにかをやるしかない!って思い立って、ふと行動に移したのがスカイダイビングのライセンス取得でした。そもそものキッカケは、18歳ぐらいのときに親父とハワイに行った際のスカイダイビング体験。それがめちゃくちゃ面白くて。

これをいつか一人で飛びたいなという思いがあったのでこの機会に決行しました。ただその高ぶった気持ちとは裏腹に、アメリカ到着後直ぐに強制送還される羽目に。おそらく19歳の年齢、お金もない、人相も悪い、格好も汚い、みたいな怪しさのオンパレードで入国を拒否されました(笑)。今思えば当然だったかもしれませんね。

アメリカが無理なら他の国で取得するしかない。その思いで行き着いたのがオーストラリアのセスノックという小さな町。滑走路の隣にある宿に泊まりながら、毎日スカイダイビングをする生活を送り、約3週間ほどで無事に取得。その熱を冷まさせぬまま、今度はスキューバーダイビングのライセンス取得も敢行。場所は同じくオーストラリアですが、今回はワーキングホリデーで行って1年半ほど滞在しました。

このときはスキューバのライセンス取得とは別に、スカイダイビングをやったり、ファームで働いてみたりと、色々なことも体験しましたね。

“目指したのは、なりたい職業ではなく、送りたいライフスタイル”

無事ライセンスを取得して帰国したのですが、そこからの自分は何をしたいかが分からず、考える日々が続いてました。なりたい職業というものが一個も見つからない。ただ自分の中で、なりたい職業はないけれど“送りたいライフスタイル”は強烈に持っていたんです。それはこれまで繰り返し体験してきた、“行きたいときに行きたい場所へ自由に赴くこと”。そんな世界中を旅することを仕事にしたいという思いが22歳のこのとき本格的に芽生えたと思います。

 

-既成的な職業ではなく自分のライフスタイルを仕事にすることを目指した河辺氏。しかし、自分を取り巻く環境がその道を一度断念させることに。そこからの転機、そして旅がもたらした新しい生き方や働きかたの創出までを後半で伺っていきます。

河辺 健太郎
ツアープランナー
“地球で遊ぶ旅”を提供する旅行社「PLAY THE EARTH(プレイ ジ アース)」の代表取締役。自ら世界中で旅をし、インスピレーションを感じた場所や体験を提供。バハマやエジプトで野生のイルカと泳ぐ旅や、ミクロネシアに浮かぶ無人島「JEEP島」を貸し切るなど、様々なツアーを取り扱う。そんな旅で得た“感動や発見”を通して、働き方からライフスタイルまでに対する想いを伺った。