Vol.8 | Technical director

「時代に変容する、これからの働きかた」梶原 洋平 (後編)

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–バンド 「LONG SHOT PARTY」 でサックス奏者として約10年間活躍した梶原氏。現在では、「BIRDMAN」 Technical director として活躍。デジタル・クリエイティブの領域において“魅せるテクノロジー”を仕掛け、最先端と時代性をパラレルにキャッチし、双方をひとつに結ぶインタラクティブな表現は、目にする人、体感する人に驚きと感動を与えてくれる。エンターテイメント業界からインタラクティブ業界。二つの世界を渡り歩いた梶原氏の根底に流れる想いとは?

取材:姥山良子  撮影:田村暢彬  (FABRIC TOKYO)

“精到なテクノロジーは、魔法のように感動を呼び起す”

広告の考え方は音楽とかなり似てるなと思います。音楽ビジネスは突き詰めると感動の一対価としてお金が支払われるもの。単純にいうと、感動させればさせるだけ売上げは伸びる。なので、いかに感動を呼び共感や高揚を360度全方位で設計するかがプロの仕事なわけです。

一方の広告もやっぱり感動が大前提だったりします。直感的に「すごい!」と思われれば、そして「楽しい!」「嬉しい!」と思われれば、今ならシェアしてくれるし、時にはイベントに足を運んでくれる。企業や商品を好きになってくれる。皆が漠然と思う未来ってどこか共通項があるんですが、それを具体的な形にすると共感(=感動)に繋がりやすい。そういう意味で、半歩先位の「かもしれない」未来をあらゆる技術を駆使し、具現化しています。

特に僕は新しモノ好きなので、チャレンジングな企画にばかり参加させていただいています。既に誰かがやった事より、誰もみたことがないことをして皆をあっと驚かせたい。

事例のない試みはクライアントの説得が難しいものですが、時にクライアント側が「じゃあチャレンジしよう」と面白がってくれると、僕ら作り手もワクワクしながらモノづくりが出来て、結果的に関わったみんなの想像を超えたスゴイものが生まれる。

中途半端な気持ちは必ずアウトプットに表れるので、まず自分が200%のテンションで仕事して、そのうちの何割かだけでも体験する人々に伝わればいいなと思ってやっています。

 

–長期的な目標は持たない

時代は変わっていくし、決して予測はつかないものなので、長期的ヴィジョンは持たないようにしています。途中で飽きちゃうかもしれませんしね(笑)。「そのとき自分が一番面白いと思うことを、世の中にフィットさせていく」みたいなのが僕にとっての「はたらく」な気がするので、今後もそういうことができればいいなと思っています。

やりたいことをやっていれば皆幸せだし、そういう人が増えれば世界が良くなる気がしませんか?すごいアホっぽいですけど(笑)。世界をどうしたいとか全然考えてませんが、どうせ何か仕事をするなら好きなことにのめり込んで働きたい。というかそうあるべきだと思います。

最近は宇宙系の仕事もあったりして、遠回りしながら意外にも原点に近づきつつあるのかなと感じています。

まぁAIが進めばプログラミングという行為もある程度は自動化されますから、将来プログラマーという概念自体なくなるかもしれません。でもその時はまた別のやりたいことが生まれてるでしょうし、変容する“次の新しさ”に挑み続けることが僕の課題です。

“スーツの概念が変わった一着”

最初は「普段スーツ着ないしどうかなー」とか思っていたのが本音だったのですが、仕上がりを見てかなり考え方変わりました。 TPOとかって素材感とか仕立てで自由自在なのだなぁとか、服を作る人からしたら当たり前かもしれないですが、普通に感動しました(笑)。

「スーツが綺麗に見える形」みたいな目線も、それぞれの体型にあったものを作れる前提だからこそ叶うもので、作る側も作ってもらう側も気持ちがいい関係だなと思いました。 もっとこういう服と人との関係が日常に増えていったらいいですよね。

実際に着てみて、「自分に合わせたサイズ感」の想像以上の心地よさが、着ていて嬉しかったです。 生地もすごくいいですね。気持ちがいいです。 全体としても、スニーカー履いてイケるってのはかなり嬉しいですね。普段から、オンとオフの服装があまり変わらないので、ビジネスか普段着かとか関係なく、日常的に活用させていただこうと思います。ありがとうございました。

 

梶原洋平
Technical director
1980年埼玉県出身。東北大学工学部卒。2001年、プロサックス奏者としてバンド「Long Shot Party」に参画。『NARUTO-ナルト-疾風伝』や『続・夏目友人帳』のOPなど数多くのタイアップでヒットを生み、2010年末まで活動。解散後はディレクターとして音楽プロデュース集団「agehasprings」に参加。2014年より「BIRDMAN」に加わり『UNLIMITED STADIUM』(NIKE)、『Flying Shoe Store』(crocs)、『ATHLETES IN MOTION』(NHK)などを手掛ける。