Vol.11 | SLEEPINGTOKYO 代表

「差別化した価値をつくる、自分を表現する働きかた」松田 康平(前編)

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SLEEPINGTOKYO 代表

マネージメント業務を軸として、所属クリエーターとともに、広告・Webサイト・Magazine制作・空間演出・ ブランディングなどのクリエイティブに関わる業務を行う「SLEEPINGTOKYO」の代表を務める。その他に、ヴィーガンカフェ”ORGANIC TABLE BY LAPAZ”やフォトスタジオの経営など、多岐にわたって活動を行う。幾多のプロジェクトを成功に導く、松田氏ならではの差別的な価値を作る働き方を紐解いていきます。

 

“カルチャーに恋い焦がれた少年時代”

“SLEEPINGTOKYO” というクリエーターマネージメントオフィスの主宰をしています。所属するスタイリストやデザイナー、フォトグラファーと、主に広告やWEB サイト、キャンペーン制作などのさまざまなプロジェクトを進行したり、ブランディング、コンサルティングなどが仕事内容です。

そもそもは、マネージメント? なにそれ状態で自分がマネージメントをやるとは思いませんでした。昔は大好きなアートや音楽、ファッションがただ単純に好きでしたね。オモシロイものがあまりなかった、田舎育ちの自分にとって、カルチャーは唯一の楽しみ。僕の学生時代はまだインターネットがあまり普及していない時代でしたので、毎月発売されるさまざな雑誌を読み漁ったり、アーティストのCD に付属しているライナーノートを通し、その世界を想像したりしていましたね。そんなカルチャーは、いつしか自分にとって欠かせない存在になっていました。

“人と人を結ぶ、ボーダーレスな共楽世界”

特に音楽はずっと好きで、上京した大学時代は、自分で演奏することはもちろん、ライブや野外イベントに遊びに行ったり、やたらと音楽三昧な生活でしたね。そんな日々を過ごす中で、音楽は楽しさだけでなく、新しい出会いももたらしてくれました。ダンスミュージックのフェスに行けば、もうそこには国や人種といった境界線のない世界が広がっているんです。バックパッカーや、皆既日食を追いかけるトラベラーなど、これまでの人生で出会ったことがないちょっとユニークでハッピーな人たちが集い、そして友達になってくれる。

僕にとって音楽をはじめ、カルチャーという存在は、娯楽という側面だけでなく、人と人の繋がりというものを強く実感させてくれたものでもありましたね。そのおかげで精神的な自由や豊かさを体感してこれたと思っています。

ところが、好きなことに没頭し続けた学生生活を送った結果、気付いたら学校ではソロバンド状態になってました(笑)。さらに卒業するタイミングでも就職活動は全くしていなかったので、卒業後は不安になるような日々が来ると想像していました。そんなとき、遊びの延長上でたまたま知り合えた、クラブ情報誌の発刊や、音楽イベントの制作、アーティストのマネージメントをする、とあるプロダクションの社長さんに声をかけていただきました。そのままその会社に就職し、26 歳頃まで音楽イベントの制作の仕事をさせていただいていました。

“差別化した価値を生み出すこと”

とにかく無一文を極めた時期でした。でも、思い返すとあの会社で学んだことが自分の働き方のベースになっています。きっとどんな仕事でも共通すると思うのですが、仕事に大事なことはいかに差別化した価値を生み出せるか、ということではないかと思うのです。それは金額や規模の大小を指すのではなく、仕事に自分のアイディア、想いなどがちゃんと入れ込まれているかどうか。自分という人間を仕事で表現すること、その取り組みがオリジナルティある仕事を生み出してくれるのだと思います。

中でも思い出深いのが、US 西海岸のメロコアバンドのツアーイベント制作。このときの会場には巨大なスケートランプを導入し、演奏とスケートボードの融合を目指しました。当時まだ日本では音楽イベントというものをのみで表現していた時代だったのですが、その音に繋がるような文化や背景も表現することで、耳から取り入れる情報だけでなく、体感することによって、文字通りよりよい音楽が体験できると思ったんです。実際演奏をするのが好きだった自分も、音に繋がる全ての文化が好きでしたからね。

そういった想いを上手くイベントに取り入れることで、自分らしい差別化が図れたと思っています。ただ、この仕事では一般的な社会経験やビジネスマナーは悲しくなるほど一切身につかなかったですが(笑)。

その後退社し、大きな成功体験とわずかな貯金で友人と夢を見て起業。ただ、そんなに思っているほど物事上手くは進みませんでした。経験とスキル不足で全く形にすることができず、すぐに解散。大きな挫折を味わいました。お金もない、家もないみたいな失意のどん底の状態の中で、たまたま大学時代の同期の友人に声をかけてもらって、年間、大手の会社でWEB ディレクターとして働く機会をもらいました。そこでようやくちゃんとした社会人としての仕事の進め方やマナーを学ばせていただきました。

 

 

–カルチャーに教えてもらった人を繋げるボーダレスな共楽。差別化した価値をつくることを覚えた働き方。そんな経験をいかして起業するもすぐに解散。自分に適した仕事とはなにか。見つめ直す時間から見えてきた新しい自分に出会う姿を後半で伺っていきます。

 

 

 

 

松田 康平
SLEEPINGTOKYO 代表
マネージメント業務を軸として、所属クリエーターとともに、広告・Webサイト・Magazine制作・空間演出・ ブランディングなどのクリエイティブに関わる業務を行う「SLEEPINGTOKYO」の代表を務める。その他に、ヴィーガンカフェ”ORGANIC TABLE BY LAPAZ”やフォトスタジオの経営など、多岐にわたって活動を行う。幾多のプロジェクトを成功に導く、松田氏ならではの差別的な価値を作る働き方を紐解いていきます。