Vol.11 | SLEEPINGTOKYO 代表

「クリエイションの根底にある、“結び”の探求」松田 康平(後編)

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SLEEPINGTOKYO 代表

マネージメント業務を軸として、所属クリエーターとともに、広告・Webサイト・Magazine制作・空間演出・ ブランディングなどのクリエイティブに関わる業務を行う「SLEEPINGTOKYO」の代表を務める。その他に、ヴィーガンカフェ”ORGANIC TABLE BY LAPAZ”やフォトスタジオの経営など、多岐にわたって活動を行う。幾多のプロジェクトを成功に導く、松田氏ならではの差別的な価値を作る働き方を紐解いていきます。

 

大切な人へのサポートを生涯の仕事に

仕事のない辛い時代も含め、ずっと支えてくれていたのが今の奥さんなんです。彼女はファッションのスタイリストをしているのですが、フリーランスでとても忙しく仕事をしていたので、自分も手伝いをちょくちょくしていたんです。簡単な経理的なサポートなどから、少しずついろいろな手伝いをするように。ある意味、これが僕の最初のマネージメント業務。このときからマネージメントという仕事に面白さを感じ、学び始めた感覚がありますね。

その流れから、2人で現在のマネージメントオフィスを起業し、今がある感じです。ただ、その起業は彼女にしてみれば不安だらけだったと思いますね。当時は結婚もしていなければ、マネージメント会社に勤めた経験もない彼氏が突然マネージャになり、そして突如会社を設立する。誰が見ても不安ですよね(苦笑)。そんな逆風の意見も多くあった中で、信頼して一緒にスタートしてくれた奥さんには、今でもとても感謝しています。

スタート時はお金もない、業界に友人もいない、という状況だったので、とにかく人が見い出していない原石を探し、それを磨いて人に認めてもらえるように努めました。そのためにも本質的に人と違うアウトプットや表現することを意識し続けていました。それと同時に、マネージャという仕事の奥深さにも日々気づかされもしましたね。アーティストは個性で勝負することはもちろんなのですが、実はそこには周りのチームやスタッフによる高いクオリティのサポートがないと成立しないということを強く感じました。

今思うとマネージメント業を選んだのは、奥さんの手伝いだけでなく、僕の根幹にあるカルチャーが教えてくれた、人と人を結ぶ力。この気持ちが繋がっていたのかもしれないです。

生きている限り、挑戦

そんなマネージメントオフィスを開業してまもなく、カフェ”ORGANIC TABLE BY LAPAZ”をスタートさせたのも自分の大きな分岐点です。きっかけは奥さんが仕事でお世話になったビルオーナーさんに、偶然に道で再会し、若い感性で何か面白いことを考える人にお店をやってもらいたいという話をいただいて。夢のようなお話で気持ちは高ぶっていたのですが、ただ同じぐらい不安な気持ちもありましたね。カフェの経営はまったくの素人で、しかもマネージメントの仕事もスタートさせたばかりでしたから、今これをやるべきことなのかをすごく迷っていました。

そんなとき2011年の震災が起こりました。とても辛い出来事だったと思うのですが、ただ僕はそれによってこれまでの迷いがふと無くなったんです。実は今こうして生きていること、というのは紛れもなく奇跡で、そのことに気づくことができるのかどうかでセカイはもっとオモシロくなっていく。チャレンジできる環境があること自体に感謝しなければいけないんだって。だから思い立ってスタートさせてみました。

無知を逆にパワーに

食についても素人だったので、業界の慣例的なことは良い意味で無視することで差別化を図りました。オリジナルで自分たちらしいお店づくりを追求した結果、ヴィーガンカフェという形をセレクト。自分でいうのもなんですが、おそらく東京で一番尖ったヴィーガンカフェだと思いますよ。

それとお店のほど近くに、2020年の東京オリンピックを開催する国立競技場が建設中なんです。世界中から集まるさまざまな人種や宗教の人たちが、笑顔でテーブルを囲み同じ食事を食べて、料理について話している。そんな僕が学生のときに音楽フェスで体験したような、垣根のない自由な風景が見られるお店を目標にしています。

今後も新しいことにはチャレンジしていきたいですね。それこそ、一度の人生を思いっきり堪能するために、これまでの経験を生かして、永続性のあるものや社会に貢献できることなどをやれたらいいですね。

あとプライベートでは、都市と田舎または海外の二重生活みたいなことが気になっています。やるべきことをやりつつ余裕ができたら、新しい生き方をしてみたいなと思って。世界のいろいろなところで活動している人に出会うことで、新しいインプットになる刺激を受けれたらと思っています。

出会いを手繰り寄せる人間力

今に至るまで、仕事を通じてたくさんの挫折を経験しながらも、たくさんの楽しさや発見も得ることができました。それをもたらしてくれたのは素晴らしい仲間との出会いに限ります。特に僕の場合は会社員ではなく、自営業ですから、一つ一つの出会いがそのまま自分の人生の可能性を広げてくれました。先ほど述べたアーティストには必ずサポートが必要なように、人が成功するにもまた信頼できる仲間のサポートが必要ですよね。人と人との繋がりの可能性を毎度思い知ります。

ただ仲間と出会うにも自分という人間を確立していかなければ、誰も寄ってきてはくれません。僕は決してお金や学歴があったわけではない。けれど仕事は真面目に、そして自分らしさを表現し続けてきました。その想いと行動が、出会いを手繰り寄せてくれたと思っています。

仕事は楽しいを想像する時間

そして働き方ということは、個々の人生を豊かに生きる、生き方と同義ではないでしょうか。シンプルにいえば、僕にとって働くということは、楽しいことを想像して実現させていく行為なんです。どんなシーンでも、いかに自分らしい楽しさを想像することができるか。もし生き方に煮詰まったら、時にはその想像を膨らます空白の時間をつくって、今いる自分を把握するのも大切だと。楽しい時間を生きるように努める、僕の働き方はそれに尽きると思います。

 

松田 康平
SLEEPINGTOKYO 代表
マネージメント業務を軸として、所属クリエーターとともに、広告・Webサイト・Magazine制作・空間演出・ ブランディングなどのクリエイティブに関わる業務を行う「SLEEPINGTOKYO」の代表を務める。その他に、ヴィーガンカフェ”ORGANIC TABLE BY LAPAZ”やフォトスタジオの経営など、多岐にわたって活動を行う。幾多のプロジェクトを成功に導く、松田氏ならではの差別的な価値を作る働き方を紐解いていきます。