【スーツ】サイドベンツとセンターベント。選ぶ基準は?それぞれの特徴や違いも徹底解説!
「そもそもベントって何?」
「どういうスタイル、シーンにサイドベンツやセンターベントが適しているの?」
普段スーツを着ている人のなかには、ベントを理解していない人も多いのではないでしょうか。ベントには「サイドベンツ」や「センターベント」「ノーベント」などの種類があります。スーツをスマートに着こなすためには、ベントの意味やそれぞれの特徴を押さえておくことが大切です。
この記事では、ジャケットのベントの種類やそれぞれの役割、ふさわしいシーン、似合う体型について詳しく解説します。
この記事を監修した人ファブリック トウキョウ
オーダーメイドのビジネスウェアブランド「FABRIC TOKYO」が企画・編集。現代にフィットする着こなしや、お客さまからよくいただく疑問をわかりやすく解説します。
1. ジャケットの「ベント」ってなに?
ベントとは、ジャケットの裾に仕立てられた1本または2本の切れ込みのことです。ベントの仕立ては、大きく「サイドベンツ」「センターベント」「ノーベント」の3種類に分けられます。
- サイドベンツ:両端に2本の切れ込み
- センターベント:中央に1本の切れ込み
- ノーベント:切れ込みなし
ジャケットにベントがデザインされることで、着用したときの動きやすさが向上するだけでなく、シルエットにも大きな変化が生じます。それぞれ特徴や適したシーンが異なるため、スーツを買う前に種類ごとの違いを理解しておきましょう。
ここからは、サイドベンツとセンターベント、ノーベントの違いや特徴、似合う体型などを紹介します。
1-1. サイドベンツは「剣吊り」ジャケット
サイドベンツとは、ジャケットの後ろ裾の両側に切れ込みが入った仕立てのことです。ベントが2つあるため、複数形になって「ベンツ」と呼ばれています。
サイドベンツは「剣吊り(けんつり)」と呼ばれることもありますが、これはサイドベンツが誕生した経緯に由来します。かつてのイギリスでは、騎士がサーベル(おもにヨーロッパで使われる片刃のこと)を腰に差していました。このサーベルが腰にきれいに収まるように、ジャケットの裾の両側に切れ込みが入れられるようになったのです。
サイドベンツは軍服のディテールとして誕生した背景もあり、威厳や貫禄を感じさせるクラシカルな仕立てだといえます。キャリアを重ねた30代以上のビジネスパーソンにとくにおすすめです。また、丈が長い英国調のスーツなど、エレガントな装いが好みの人にはサイドベンツが向いているでしょう。スラックスのポケットに手を入れたときも、サイドベンツならシルエットがほとんど崩れません。
サイドベンツは両サイドに切れ込みが入っているため動きやすく、ヒップが大きめの人にも適した仕立てです。サイドベンツなら2つの切れ込みでヒップ周りの圧迫感が抑えられ、すっきりしたシルエットになります。着丈が短すぎるとサイドベンツのエレガントな印象が損なわれるので注意が必要です。
- 特徴:クラシカルな印象、両サイドに切れ込みが入っているので動きやすい
- おすすめの人:30代以上のビジネスパーソン、エレガントな装いが好みの人、ヒップが大きめの人
1-2. センターベントは「馬乗り」ジャケット
センターベントはジャケットの後ろ裾の中心に1本の切れ込みが入ったデザインです。サイドベンツが「剣吊り」と呼ばれるのに対し、センターベントは「馬乗り」と呼ばれます。
スーツの原型となったコートには、もともと後ろ裾に切れ込み(ベント)が入っていませんでした。騎士がコートを着て馬に乗る場合、裾に切れ込みのないコートは馬の上で鞍(くら)に引っかかって窮屈になります。そこで、コートの中心部分に切れ込みを入れることで、裾が鞍の両側に流れるように工夫したのです。この誕生の経緯から、今でもセンターベントは俗称で「馬乗り」と表現されることもあります。
センターベントはスポーティでスタイリッシュな印象があります。シンプルな着こなしが好みの人はセンターベントを選ぶのがおすすめです。くせがないデザインなので、多くのビジネススーツではセンターベントが採用されています。
とくに近年では、着丈の短い細身のスーツが増えてきていて、センターベントに一層人気が集中しています。短い着丈のジャケットでサイドベンツを取り入れると、裾が広がって不格好にみえるためです。
【MEMO】
センターベントの上部がカギ型になっているデザインを「フックベント」といいます。1950年代のアメリカでアイビールックが流行して以来、フックベントはアメリカントラッドの代表的な意匠となっています。
シンプルなセンターベントはあらゆる年代に合うデザインです。軽やかな印象があるので、とくに20代の人にはよく似合うでしょう。体型の点では、ヒップが小さめ、または引き締まっている人はセンターベントが適しています。
ヒップの大きな人がセンターベントのジャケットを羽織ると、ベントが開いてヒップが強調され、だらしなく見える恐れがあるので注意してください。
- 特徴:くせのないシンプルなデザインなので多くのビジネススーツで採用されている、スポーティでスタイリッシュな印象
- おすすめの人:シンプルな着こなしが好みの人、全世代(なかでも20代)、ヒップが小さめor引き締まっている人
1-3. ノーベントは「礼装用」ジャケット
ノーベントとは、その名のとおり裾に切れ込みが入っていない仕立てのことです。切れ込みがない分、サイドベンツやセンターベントに比べて動きにくくなっています。
ノーベントは基本的に、「ディレクターズスーツ」などの礼装用ジャケットで採用されます。
おもに黒のシングル2つボタンジャケットに、ブラック×グレーのストライプのスラックスを組み合わせたスーツのことをディレクターズスーツといいます。日本では結婚式の準礼装としてしばしば着用されます。
一般的に、スーツは機能性が低くなるほどフォーマル度が高まるといわれています。動きやすさを重視して切れ込みを入れたサイドベンツやセンターベントより、ノーベントのほうがフォーマルだとみなされるのです。
ノーベントは着心地がやや窮屈ですが、後ろ裾がすっきりとしてエレガントな印象を与えます。冠婚葬祭やフォーマルなパーティー以外の場面で着用されることはあまりありません。エレガントな装いが好みの人は、普段使いとしてノーベントのジャケットを仕立てるのもいいでしょう。ただし、動きまわることが多いビジネスシーンなどには適さないので注意してください。
ノーベント
- 特徴:エレガントな印象、少し窮屈さを感じる
- おすすめの人:冠婚葬祭やパーティ用スーツを探している人、エレガントな装いが好みの人
2. サイドベンツとセンターベント、どっちを選べば良い?
サイドベンツは後ろ裾の両側に切れ込みが入ったジャケットで、クラシカルで優雅な印象があります。ヒップの大きさをカバーしてくれる点も特徴の一つです。一方、センターベントは後ろ裾の中央に切れ込みが入っており、軽やかな印象を与えたいときに適した仕立てです。シンプルな印象で、着丈が短いジャケットによく合います。
ビジネスシーンに適しているのはサイドベンツとセンターベントの2種類です。主流はセンターベントですが、「シンプルな仕立てが好みで、体が引き締まっている人」「すっきりとしたシルエットで爽やかさを演出したい人」にはセンターベントがおすすめです。
3. まとめ
ベントにはビジネスシーンに適した「サイドベンツ」と「センターベント」のほか、おもに礼服で用いられる「ノーベント」もあります。
着用シーンや体型によってはふさわしくない場合もありますので、それぞれの違いを理解したうえで、自分の好みや体型を考えて選ぶようにしてください。
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