【聞いてみた】ビジネスカジュアルが楽しくなる新作が続々!今季のイチオシや見どころを商品企画にインタビュー
いよいよ2022年秋冬の新作がリリースされました!秋冬は素材のバリエーションも増えて、ますますファッションが楽しくなる時期ですね。選択の幅が増える一方で、「多すぎてどれがおすすめかわからない!」「注目ポイントを教えてほしい!」という方も多いのではないでしょうか。
今回はFABRIC TOKYOの新作をより楽しんでいただけるよう、商品企画の担当者にインタビュー!2022年秋冬注目のアイテムや開発の裏話などを深掘りしてきました。
これを読んでいただければ新作への理解が深まって、より特別感や愛着を感じていただけるはず。ぜひ最後までお読みください。
今回お話を伺ったのはこの方
もっともっとビジネスファッションを楽しもう!
──ズバリ今季の注目ポイントを教えてください
今季はビジネスファッションをより楽しんでいただきたい。これをもっとも意識して開発しました。
ビジネスウェアってコーディネートがある程度パターン化されてしまいますよね。このパンツのときはこのシャツを着る、みたいな感じで。でも、着こなしが固定化されるのはもったいないし、もっともっとビジネスファッションを楽しんでいただきたい。そんな思いを込め、今季はデニム調の生地を増やしたり、柄物のセットアップを追加したり、コーディネートに幅を持たせて、日々の服選びがもっと楽しくなるような提案をしています。
──これまでもFABRIC TOKYOでは多くのビジネスカジュアルアイテムをリリースしてきましたが、シーズンを重ねていくごとに、どんどん充実している印象ですね
FABRIC TOKYOがビジネスカジュアルのアイテムを最初にリリースしたのは2017年。当初はスーツの補助的なアイテムという位置付けでチノパンからスタートし、その後2020年頃から本格的にカジュアルジャケットをリリースしました。
コロナでビジネスウェアが多様化したこともあり、カジュアルアイテムを広げていく必要を感じ、よりストレッチの強い生地や、着心地の良いジャージー生地、スーツ見えする良質なウールを入れた生地などを次々に開発しています。商品の幅が充実してきたので、今ではほぼ全身でスタイリングを楽しめるようになってきました。
注目の新作①:職人さんとコミュニケーションをとった生地作り「THE COMMUTER」
──注目のアイテムばかりですが、なかでも今季を象徴する生地を教えてください。
特に思い入れが強いのが「THE COMMUTER」です。高機能なもので、かつ高見えするという部分を意識して生地を開発しました。
コロナ以降、スーツだけでなく、ビジネスカジュアルを許容する傾向が強まっているので、カジュアルを象徴する素材である「デニム」を使いたいと思っていました。
ただしそのままデニムを採用すると、固くてビジネスでは使いにくいし、他と差別化できないので、ストレッチ性や肌触りの良さなどの機能性を加えたデニム調になっているのがポイントです。
──デニムではなく、“デニム調”なんですね
そうですね。染め分けができるポリエステルを使うことで、色はかなり本物のデニムに近づけています。本物のビンテージデニムを参考に、微妙な染め具合などを工場と話をして何色も試しました。その中でも今回はブラックとインディゴに近いものを選んでいます。
──アイテム一つひとつ、工場と密なコミュニケーションを図って開発しているんですね
はい。「THE COMMUTER」は石川県の生地工場、トレスアクアさんと一緒に作ったもので、2021年からずっと共同開発したいと思っていて、今年ようやく実現したものになります。直接現地に行って職人さんと話しながら一緒に生地を作っています。
実はオーダースーツブランドって、主に海外とかの良い生地を仕入れて、いかにコストを抑えて提供するかというビジネスモデルが多いのですが、FABRIC TOKYOのように、職人さんと生地から一緒に作りあげるというのは珍しいことなんです。
着る人のことを考えないと、わざわざ生地から作ろうという発想は出てきませんよね。でも、そこが“Fit Your Life”をコンセプトに掲げるFABRIC TOKYOらしくて。サイズだけでなく、生き方や価値観にもフィットしたビジネスウェアを提案するFABRIC TOKYOの強みでもあるなと思います。
──「THE COMMUTER」は特にどんな方におすすめですか?
ファッションやデニムアイテムが好きな方におすすめです。
職人さんと密にコミュニケーションを取って一緒に生地を作るというのは、どちらかというとコレクションブランドに多い手法です。FABRIC TOKYOでは今までも「SILKY AIR」や「MIYUKI HYBRID FACE WOOL」といった、ファッション好きな方に見ていただけるような、他では見ないオリジナル生地を作ってきました。「 THE COMMUTER」 も、ぜひファッション好きな方やデニムアイテムが好きな方に挑戦してもらいたいなと思います。
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THE COMMUTER
ジャージー生地のような高いストレッチ性、ナイロンの肌当たりの良さが特徴です。生地を作っているトレスアクアは石川県に所在し、歴史は古くないものの、若い感性でナイロンを中心とした生地の企画を行っており、国内をはじめ欧米の高感度なブランドから支持されています。
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掲載の商品は販売を終了しました。
注目の新作②:天然繊維による新しいセットアップ「EASY CARE COTTON JAPAN FABRIC from BANSHU」
──FABRIC TOKYOではこれまでも数多くセットアップをリリースしています。なかでも、「EASY CARE COTTON JAPAN FABRIC from BANSHU」の特徴を教えてください
この生地は、「本当に新しいセットアップって何だろう?」という問いから始まりました。手入れのしやすさを考えると、ポリエステルなどの化学繊維で開発するのが一般的です。でも、本当に新しいセットアップというのを考えた時に、手入れのしやすさだけでなく、見た目や肌触りにもこだわりたかった。そこで、天然繊維で開発できないかと考えました。
──機能面と見た目や肌触りを兼ね備えたセットアップが、本当に新しいセットアップということですか?
はい。そこで播州織の中でも老舗の生地工場である東播染工(とうばんせんこう)さんに協力をしてもらいました。東播染工さんはノンアイロンコットンのような、天然素材でありながら、シワになりにくい機能を併せ持つ生地を得意としていたので、その技術を使わせてもらっています。
元々シャツ生地をメインに作っている生地工場なのですが、上着の生地やパンツの生地なども作っているということを知りました。さらに、「自分たちはシャツ生地以外にも色々なものが作れることをもっと知ってほしい」という強い想いがあることを担当の方と話して知る機会がありました。
FABRIC TOKYOとしても天然のもので、ちゃんとビジネスでも通用するような機能を兼ね備えたセットアップが作れたらいいなと思っていたので、ここでお互いの思いが合致しました。
──「EASY CARE COTTON JAPAN FABRIC from BANSHU」の特徴を教えてください
この生地は色にもぜひ注目していただきたいです。
ヨコ糸とタテ糸で染め方を変えていて、光や角度で色の変化を楽しめるような生地に仕上げました。天然染料と化学染料を使い分けることで、天然染料にありがちな色落ちの問題も改善しています。
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EASY CARE COTTON JAPAN FABRIC from BANSHU
形態安定性のある綿の液体アンモニア加工に加え、天然染料と化学染料を使い分けて色落ちなどの問題を改善したオリジナル生地です。光や角度で色に変化のある高級感が特徴。
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注目の新作③:柄を楽しもうというメッセージ「GUN CLUB CHECK」
──GUN CLUB CHECKはどのような思いで開発したのでしょうか?
GUN CLUB CHECKは「柄物を楽しんでもらいたい」というメッセージを込めて開発しました。
今季はビジネスファッションをもっともっと楽しんでもらいたいという思いを裏テーマに掲げているので、アクセントになるような柄があると良いと考えていました。
スタイリングのベースはアメリカのプレッピースタイルや、伝統的なアメリカントラッドスタイルとしながらも、そこにアクセントとして映えるガンクラブチェックを採用しました。
アメリカの一流大学を目指す名門私立高校プレパラトリースクール(プレップ)に由来し、そこに通う良家の名門子息たち(プレッピー)が着こなしていたスクールファッション。60年代から注目され、80年代に本格的に流行した。
50年代、ハーバードやコロンビアなどの歴史あるアメリカの名門大学の学生が好んだ着こなし「アイビールック」をはじめとした、アメリカ東海岸の伝統的なスタイル。
──「GUN CLUB CHECK」の特徴を教えてください
「GUN CLUB CHECK」は、きちんと感を備えつつも、ポリエステル素材なので手入れが楽で、気負わずにサラッと着用できます。さらに通年向けの生地なので、シーズン問わず着用できるのも魅力です。
セットアップで合わせるのはもちろん、ジャケット単体やパンツ単体で合わせていただいたらワンポイントにも効果を発揮します。1着持っているだけでコーディネートの幅はぐっと広がると思います。
近年、柄を取り入れようという機運は少しずつ高まっているので、トレンド的にもピッタリです。
──価格はセットアップで46,800円なんですね!
はい。価格にもこだわっていて、オーダーセットアップにもかかわらず上下セットで46,800円。柄物が初めてな方にもぜひ挑戦していただきたいですね
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GUN CLUB CHECK
洗えて、軽くて、ストレッチ性の良い生地、ガンクラブチェックの柄は程よいトレンド感があり、セットアップの他にパンツ単品やジャケット単品もおすすめ。
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人気の「BRIGHT CUPRA JERSEY」に新生地が追加
──新生地を追加している商品もありますね
ストレッチの効いたジャージー素材なのにきれいめな光沢がある、ということで以前から好評をいただいているBRIGHT CUPRA JERSEYには新生地を追加しています。これまでとは編み方を変えた新しい生地を追加しました。
元々あったツイルの編みに加えて、ピンヘッドの編みを追加しました。ピンヘッドは針で刺したような細かな表情が出るのが特徴です。
実際に現地の工場にいって、ツイル以外の編み方がないのか話をして、職人さんが提案してくれたのがピンヘッドでした。ベーシックな色に加えてブルーグレーといったニュアンスのある色も展開しています。こちらもFABRIC TOKYOオリジナルの生地となるので、ぜひ試してみてください。
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今季のテーマ「session」に込められた想い
──今季はsession(セッション)をテーマにしているそうですね。どうしてsessionなのでしょうか?
1940年代、アメリカのジャズクラブから生まれた演奏スタイル。決まった楽譜やアレンジにとらわれずに、集まったミュージシャンがそれぞれ自由にアドリブでソロを取って演奏を楽しむ。
はい。デニムや柄物アイテムなどのカジュアルウェアをもっとビジネスでも使えるようにしていきたいという思いもあり、また着こなしも今まで以上に提案して、もっともっと自由にファッションを楽しんでもらえたらいいなという思いもあり、そんなイメージを象徴する切り口としてsessionというテーマを選びました。
ただし、いくら「もっともっとビジネスファッションを自由に楽しんで」と提案しても、ある程度の方向性がなければ、お客さまを悩ませてしまいますよね。そこでわかりやすく、かつトレンドでもあるプレッピー、そして伝統的なアメリカントラッドの要素を取り入れていきました。
──「プレッピー」や「アメリカントラッド」はsessionと関係があるのでしょうか?
はい。プレッピーやアメリカントラッドを直でテーマとして打ち出すよりも、感覚としては50年代アメリカのファッション要素を引っ張ってくるようなイメージがありました。思考を深めていった結果、同時代にアメリカから生まれたカルチャーであるsessionというワードが浮かび上がってきました。
今回はプレッピーやトラッドといったカジュアル的な要素をビジネスウェアの中でギリギリ表現できるところを意識して生地を選定しています。柄物のGUN CLUB CHECKや、デニム調の「THE COMMUTER」など、これまで以上にもっともっとファッションを楽しめるような商品が追加されていますので、ぜひそういった部分にも注目していただければと思います。
ブランドミッションにも通じる「session」
──最後に、今回のsessionを通して伝えたいことはありますか?
はい。現代の働き方もある意味では”session”風といえます。今はオフィスで働いている方もいれば、リモートで働いている方もいます。他にも会社に所属しながら別の仕事を受け持ったり、独立する人が出てきたり。
会社と個人の関係とか、さらには仕事と自分の関係っていうのも、sessionするジャズミュージシャンのように、1人なんだけど、何個も顔を持っていないといけない時代がこれからくるんじゃないのかなと思っています。
これはFABRIC TOKYOのミッションやビジョンにも共通するところがあります。
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誰もが自分らしいライフスタイルを自由にデザインできるオープンな社会を作る
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カスタムウェアの民主化を通じて、服を、人生を、この世界をもっと楽しく
自分にとっての新しいビジネスウェアのスタイリングが、今回の”session”を通じて見つかると嬉しいです。
ぜひFABRIC TOKYOの新作を楽しんでください。
初めての方、サイズの更新を希望の方は店舗にお越しください
「FABRIC TOKYO」のカスタムオーダー商品をご購入いただくには、採寸とサイズ登録が必要です。
採寸にかかる時間は約30分。「まずはサイズ登録だけして、家でじっくり商品を検討したい」というご要望も承っておりますので、ぜひお近くの店舗にお越しください。