結婚式のスーツ選び|プロ直伝の恥をかかないマナーと好感度コーデ10選
結婚式にお呼ばれしたけど、どんなスーツを着ていったらいいのか分からない。
でも、せっかくのおめでたい席。どうせならマナーを守ったうえで、おしゃれをして参列したい──。
結婚式のスーツスタイルにはさまざまな決まりがあり、最低限のマナーを守らないと失礼にあたることもあります。
参列して恥をかかないために、正しい着こなしやマナーについて解説します。
同時にどの部分だったらおしゃれをしてOKなのか、どのようなコーディネートがあるのか、なども合わせてご紹介します。
ぜひ最後までごらんください。
この記事を監修した人ファブリック トウキョウ
オーダーメイドのビジネスウェアブランド「FABRIC TOKYO」が企画・編集。現代にフィットする着こなしや、お客さまからよくいただく疑問をわかりやすく解説します。
1. 結婚式のスーツのマナーとは?
まず大前提として大切なことは、結婚式の主役は新郎新婦であることです。
きちんとした服装をして、新郎新婦を引き立てることを意識し、あくまでも自分が目立つ場ではないことは肝に銘じておきましょう。
2人の門出を祝う気持ちを忘れないことが大切です。
また男性のフォーマルウェアは大きく分けて3種類になります。
- モーニングコート、タキシード
- ディレクターズスーツ、ブラックフォーマル
- ダークスーツ
2. 結婚式用スーツの選び方は基本この2軸でOK
結婚式のスーツ選びは、その後の用途もふまえて考えるとわかりやすいです。
冠婚葬祭の行事で1着きちんとしたものが欲しい場合はブラックフォーマル、日常の仕事着としても使いたい場合はダークスーツがおすすめです。
それぞれの違いを詳しく解説します。
2-1. 冠婚葬祭用に1着持つならブラックフォーマル
ブラックフォーマルの特徴
結婚式だけでなく、葬儀や法事など、冠婚葬祭の全ての場で着用できるスーツです。
準礼装にあたるので、後述するダークスーツに比べて格式が高く、ご親族や上司の結婚式の際でも安心感があります。
生地の注意点
ブラックフォーマルはビジネス用の黒いスーツとは異なり、染めや加工を施した専用の生地となります。
そのため、ビジネススーツを礼服の代わりに着用するのは避けましょう。
デザインの注意点
一般的に装飾やデザインは少なければ少ないほどフォーマルに近付くとされています。
スラックスの裾は折り返しのない「シングル」、ジャケット後ろの裾は切れ目のない「ノーベント」が好ましいです。
ジャケットのフロントのボタン数は「1つボタン」が最もフォーマルですが、「2つボタン」でもOK。
2-2. お仕事と兼用ならダークスーツ
ダークスーツの特徴
ダークスーツとは主に暗めのネイビー、チャコール、グレーのスーツのことで、結婚式でも普段のお仕事でも使える万能さが魅力です。
選択肢もブラックフォーマルに比べると多いため、少しでもおしゃれを楽しみたい方はこちらが良いでしょう。
ご親族や上司の結婚式にはブラックフォーマルでの参列が安心ではあるものの、近年ではダークスーツで参列するケースも増えています。そういった場合は、黒に近い濃いめの色を選ぶのがおすすめです。
生地はウール100%がおすすめ
結婚式用のスーツはウール100%の生地がおすすめです。
ウール100%の生地はきれいな艶と柔らかさがあり、式典にふさわしい仕上がりになります。
一方、ウール × ポリエステル混紡の生地は実用性を重視した生地のため、艶が抑えめで少しカジュアルな印象。コストパフォーマンスは良いものの式典には好ましくないので、ウール100%を選んでおいた方が無難です。
柄は控えめであればOK
もし柄を選びたい場合は、遠目から見たら無地に見えるくらいの柄を選びましょう。シャドーストライプやピンヘッド、バーズアイなどの柄はほどよいバランスで違いが出せます。
デザインの注意点
前述のブラックフォーマルとは異なり、日常の使用も想定して、ジャケットの裾はセンターベント(中心で割れているもの)、ボタンは2つボタンを選びましょう。
スラックスの裾はブラックフォーマル同様、シングルがおすすめ。
3. 結婚式用スーツにはベストがおすすめ
ベストを加えたスリーピーススーツは、ツーピーススーツよりも格式が高くなるのが特長。
例えばご親族や上司の結婚式でダークスーツを選びたい時、スリーピースにしておけばフォーマル度が上がるので、ブラックフォーマルを選ばなくても安心感が増します。
加えてジャケットを脱いだ時にもフォーマルな印象をキープ。白シャツやネクタイの見える面積が減るので、自然と目線が上がり、スラっとスタイル良く見えるのも大きなメリットです。
ベストはスーツと同じ生地が合わせやすくおすすめですが、中にはオッドベストという選択肢もあります。
オッドとは英語で「片方の、半端の」という意味があり、上着やパンツとお揃いになっていないベスト単品の事を指します。
スリーピースに比べると着こなしの難易度は上がりますが、色の対比で着映えします。おしゃれを楽しみたい方はこちらも検討してみてください。
4.【結婚式用スーツ】失敗しない周辺アイテム選び
結婚式で用意するのはもちろんスーツだけではありません。ここからはスーツ周りのアイテムで失敗しないポイントをイラストと共にわかりやすくご紹介します。
4-1. シャツは襟型と生地に注意!
シャツの色は白、襟型は「レギュラーカラー」を選んでおけば間違いありません。レギュラーカラーは、フォーマルな場でも日常でも使用できる万能なデザインです。
襟先だけが前に折れたウィングカラーシャツは蝶ネクタイと合わせたい方におすすめ。主に新郎や主賓が着用しますが、最近では参列するゲストが着ることもあります。
一方で、注意したいのが「ボタンダウン」の襟型。ビジネスでは定番ですが、襟先のボタンがカジュアルな印象になるので、避けるようにしましょう。
シャツの生地
フォーマルシーンはもちろん、日常でも使用できます。
一方で、ビジネスで定番のオックスフォードのような生地は、織り目が粗くカジュアルな印象。
式典には向かないので選ばないようにしましょう。
またシャツの色は、淡いトーンのブルーやグレーであれば選ぶのもありですが、まずは白を選んだ方が無難といえます。
4-2. ネクタイはシルバーが安心
結婚式のネクタイといえば、シルバーグレーの無地が基本。悩みたくない方はまずこれを1本持っておくと安心です。
華やかな雰囲気を出すのであれば、黒の蝶ネクタイもおすすめ。元々は夜の正礼装で付けられていたものなのですが、現在はそこまで気にしなくても大丈夫です。
色で遊びたい方はシルバーに近い色や、サックス、ピンク、イエローなどの淡めの色。柄で遊びたい方は小さめのドットや小紋柄を選ぶと良いでしょう。
くれぐれも葬儀用の黒ネクタイや、殺生を連想させるアニマル柄は絶対に選ばないように。こちらはマナー違反となってしまいます。
4-3. 靴は黒のストレートチップ
足元は紐付きの黒の革靴を選びます。
つま先のデザインは横にラインが1本入ったストレートチップ、靴紐を通す穴付近のデザインは「内羽根」と呼ばれるものが最もフォーマルに見えるので、おすすめです。
- 靴紐を通す穴周辺のパーツが、本体と一体化するよう甲の内側に縫い込まれているデザイン。上品さと落ち着きのある印象です。
- 靴紐を通す穴周辺のパーツが、外に開く仕様。脱ぎ履きしやすく、ややカジュアルな印象です。
つま先のデザインは、横にラインのないプレーントゥでもOK。それ以外の靴はカジュアルな印象になってしまうため、避けた方が無難です。
4-4. ベルトは靴の色に合わせる
ベルトは革靴に合わせて黒のレザーベルトを合わせます。革製品の色が異なるとコーディネートがちぐはぐになってしまうので注意しましょう。
また派手な装飾のあるものや、素材がカジュアルなもの、殺生を連想させるアニマル柄は避けましょう。
4-5. チーフで華やかさをプラス
ポケットチーフは見た目の華やかさに加えて、招待してくれた方へ「祝福」や「感謝」の意を表せます。
1つ持つのであれば、格式の高いリネン素材の白が間違いありません。
挿し方はシンプルなTVホールド、エレガントな印象のスリーピークス、柔らかい印象のパフの中から選びましょう。
他にチーフを選ぶとしたら、シルクの素材やシルバーの色などもおすすめ。ネクタイが色ものであれば、同色を選んで統一感を出すのもOKです。
4-6. バッグを持つならクラッチバッグ
そもそも結婚式で持っていくものは、ご祝儀や財布、携帯電話くらいなので手ぶらでもOKです。スーツのシルエットが崩れないように内ポケットにしまうと良い印象をキープできますよ。
もしバッグを使用したい時はクラッチバッグがおすすめ。ナイロンなどのカジュアルな素材ではなく、革のものを選びましょう。
気をつけなければいけないのがビジネスバッグ。つい選んでしまいそうになりますが、結婚式ではNGです。おめでたい席なのに「仕事帰り感」が出てしまうので、避けましょう。
4-7. ソックスは黒
ソックスは黒の無地、かつ丈長めのものを選びましょう。
短い丈を選んでしまうと、座った時に地肌が見えてしまい、印象が台無しになってしまいます。
派手な柄物のソックスは、カジュアルな結婚式や2次会での参列でしたら使用もOK。コーディネートに遊びの要素を加えられますよ。
4-8. コートはカジュアルすぎないものを
コートは式場では脱ぎますが、式の前後で印象を与える大事なアイテム。フードの付いたデザインなど、カジュアルなアイテムは選ばないようにしましょう。
一番フォーマルな印象を与えるのがチェスターコート。それ以外ではステンカラーコートやトレンチコートなどシンプルなデザインのコートがおすすめです。
色は黒、もしくは暗めのネイビーやチャコールあたりを選びましょう。ベージュなどの明るい色はカジュアルな雰囲気になってしまいます。
5. 結婚式用スーツのシーン別コーデ10選
ここまで結婚式のスーツのマナーについて解説してきました。ここからは結婚式におすすめのコーディネートをシーン別にご紹介します。ルールを守りながらおしゃれを楽しむポイントを掴んでみてください。
5-1. 【親族向けのおすすめコーデ】
ご親族の結婚式で断然使いやすいのが格式の高いブラックフォーマルのスーツ。1着持っておけば冠婚葬祭のどのシーンにおいても活用できます。
王道ブラックフォーマルスーツ
ブラックフォーマルのツーピーススーツにシルバーのネクタイを合わせた王道のスタイル。
組み合わせに困ったら、まずはこれが安心です。
ブラックフォーマルのスリーピーススーツ
ブラックフォーマルのスリーピーススタイル。ベストを加えることで、よりフォーマル感が増します。
さらに蝶ネクタイで華やかさを添えているのもポイント。
蝶ネクタイをする時はフロントの白シャツ部分の面積が大きくなってしまうので、ベストでうまく隠すバランスが正解です。
5-2. 【上司向けのおすすめコーデ】
上司の結婚式は親族ほどではないにせよ、一定の格式があった方が安心といえるでしょう。ブラックフォーマル、もしくは黒に近いダークカラーのスーツがおすすめです。
ブラックフォーマルに少しだけ変化をつける
王道ブラックフォーマルのスタイルにネクタイで少しだけ遊び心を取り入れたスタイル。
シルバーに近いグレーをチョイスすることで、安心感が生まれます。無地に近いグレンチェックの柄でしたら悪目立ちもしません。
ダークネイビーのスリーピーススタイル
黒に近いダークネイビーでしたら、お仕事との兼用もしやすくて便利。ベストを足すことで格式が上がります。
ネクタイはほどよい個性の小紋柄をチョイス。ベストのおかげでネクタイの見える面積が減るので、柄物も目立ちすぎず、選びやすくなるのがポイントです。
5-3. 【友人・同僚・取引先向けのコーデ】
友人や同僚、取引先との結婚式の場合はダークスーツがお仕事兼用で便利。ビジネスでも定番のネイビー、チャコール、グレーから選んでみましょう。
ネイビーのツーピース
好印象間違いなしのネイビースーツスタイル。少し明るめのネイビーを選ぶことで、爽やかさもプラスしています。
ネクタイにはさりげなく明るい色が混ざっている小紋柄をチョイス。ほどよい個性とアクセントが生まれます。
チャコールのスーツ
落ち着きと安心感を演出するのであれば、チャコールスーツがおすすめ。モノトーンなので、シックな装いになります。
合わせたネクタイはほんのり色気のあるペイズリー柄。やや柄は大きめなものの、色味をグレーで合わせることでやりすぎないバランスを保っています。
ミディアムグレーのスーツ
都会的でモダンな印象を出すならミディアムグレーのスーツがおすすめ。
シャツもネクタイも同じグレー系をチョイスすることで、ワントーンの洗練されたコーディネートが完成します。
結婚式のシャツは基本的に白がおすすめですが、淡めの白に近い色であればブルーやグレーなども許容されます。
5-4. 【カジュアルウェディングや2次会向けコーデ】
近年では結婚式のスタイルも多様化してきました。
カフェの貸し切りスタイルや、リゾート地での開催など、ブラックスーツにシルバーのネクタイだと逆に浮いてしまうような場合もあります。
そんな時には自由度の高いスーツスタイルがおすすめ。
会場によって許容の幅は変わりますが、普段はNGとされるブラウンのスーツや、色や柄で遊んだシャツなどで楽しむのも良いでしょう。
もちろん服装規程の少ない結婚式の2次会でも使えるので、ぜひ参考にしてみてください。
ブラウンのスリーピーススーツ
おしゃれスーツとして人気の高いブラウンのスーツスタイル。
ひと味違った色味は一気に垢抜けた印象になります。
ネクタイにニュアンスのあるグレーグリーンの色を持ってくることで、より個性が際立ちます。
夜に映えるダークカラーのシャツ
デニムスーツのインナーにネイビーシャツを使用したパーティースタイル。
シャツを暗めの同色で合わせることで、大人の色気を演出します。
特に暗い夜に着映えするコーディネートなので、結婚式の2次会に出席する方におすすめ。
チェック柄のシャツをコーディネートのアクセントに
柄が際立つギンガムチェックのシャツを活かしたコーディネート。
チェックはおしゃれで親しみやすい印象が出るのが魅力です。
子供っぽくなりすぎないように、ベストを着用して、チェックの見える面積を減らしているのがポイントです。
結婚式のスーツスタイルはYouTubeでも解説しているので、よろしければ動画もご参考ください。
6. 結婚式のスーツ・よくある質問Q&A
ここからは結婚式でのよくある質問にお答えします。実際にFABRIC TOKYOの店舗でもよく聞かれる内容ですので、ぜひチェックしてみてください。
Q. 仕事用のスーツやリクルートスーツでもOK?
暗めの無地、もしくはシャドウストライプなどの控えめな柄であればであれば着用OKですが、素材がポリエステル混のものはあまり推奨しません。
ウール100%の生地の方が光沢がきれいで、華やかな式典には最適です。
もし使用をする際は、ネクタイやポケットチーフでお祝いの席らしい華やかさをプラスすると良いでしょう。
Q. ブラウンやベージュのスーツでおしゃれしたい!
おしゃれを楽しみたい方に人気のブラウンやベージュのスーツ。しかし結婚式はあくまでも新郎新婦が主役なので、目立ってしまう色は避けましょう。
ただし2次会やカジュアルウェディングでしたらOKな場合もあり、条件によっては着用できます。
Q. ダブルブレストはあり?
シンプルでスマートな印象を与えたい場合はシングルブレスト、重厚で華やかな印象を与えたい場合はダブルブレストがおすすめです。
以前は少しおじさんぽいと言われていたダブルブレストですが、オーダーでぴったりのサイズでしたら、とてもスタイリッシュに仕上がります。
Q. アクセサリーはOK?
基本的に結婚指輪以外は避けた方が無難です。
特に大ぶりのデザインのものや、明らかにカジュアルなデザインのものは式典にそぐわないので気をつけましょう。ピアスやイヤーカフも外した方が安心です。
時計は「お祝いの席なのに時間を気にしているように見える」と以前は避けられていましたが、最近では許容されている傾向にあります。
7. 結婚式スーツで周りと差が出るのはサイズ感!
結婚式のスーツの着こなしについてご紹介しました。
マナーや生地の選び方、細かいデザインの注意点まで解説しましたが、実は一番大事なのがサイズ感。スーツを格好よく着こなしている人は、自分に合ったサイズ感を選んでいます。
肩幅はもちろん、袖の長さやジャケットの着丈、ウエスト周りの適正なゆとりなど、スーツは全てのサイズ感が大事になります。
FABRIC TOKYOのオーダーでしたら、それぞれの体型に合ったサイズ感でお仕立てができるので、ぜひ検討してみてください。
デザインでは差をつけにくいスーツスタイルは「シルエット」で周りと差をつけるのが正解です。
FABRIC TOKYOのオーダーは敷居が高くないので、ぜひお気軽にご来店ください。
結婚式の服装について、さらに詳しく知りたい方はこちら