【ここが見どころ】2023秋冬おすすめ新作アイテム4選!今季の一押しポイントを商品企画にインタビュー
いよいよ2023年秋冬の新作がリリースされました!秋冬は生地の種類も増えて、ますますファッションが楽しくなる時期です。
選択の幅が増える一方で、「多すぎてどれが良いのかわからない!」という方も多いのではないでしょうか。
今回は新作をより楽しんでいただけるよう、商品企画の担当者にインタビュー!注目のアイテムや開発の裏話などを深掘りしてきました。
これを読めば新作への理解が深まって、より特別感を感じていただけるはず。ぜひ最後までお読みください。
今回お話を伺ったのはこの方
1. お客さまの「第3の選択肢」になるものを
──ズバリ今季の注目ポイントを教えてください
今季はお客さまにとって「第3の選択肢」になるラインナップを意識しました。最初の1〜2着目って、だいたい着回しを考えてベーシックなアイテムを選ぶことが多いですよね。でも3着目くらいになると物足りなくなって、だんだん変化が欲しくなるタイミングだと思います。
FABRIC TOKYOを支持してくださっているお客さまが、今よりもっとビジネスカジュアルを楽しんでいただけるよう、今回は特に変化を楽しめるような生地をたくさん用意しました。
──具体的にはどんな生地があるのでしょうか
いつもと違う素材感に挑戦していただきたいと思い、特にウールの生地を増やしています。通年で使えるものから、起毛感のある秋冬のものまで幅広く用意しました。
他にも天然繊維のような風合いを持つ新感覚のポリエステル生地や、以前からご要望のあったコーデュロイのアイテムもあります。
──楽しみですね。ウールを特に増やしたのは何か理由があるのでしょうか
ウールは値段の高さから、ビジネスカジュアルだと選ばれにくい傾向にあったのですが、本当に優れた生地なので、あらためて良さを伝えたいという気持ちがありました。ウールは見た目の高級感や着心地の良さだけではなく、天然の防シワ性や防臭性、汚れに強い撥水性を持っています。
さらに、これからの秋冬シーズンでしたら静電気にもなりにくいですし、湿気を吸いながら高い保温性があるのも優れた点といえます。
──確かに機能というとポリエステルなどの化学繊維のイメージがありますが、ウールにもたくさんの機能がありますね
はい。そして特に知っていただきたいのが「物持ちの良さ」です。ウールってきちんとケアすれば10年以上と長く愛用できるので、値段はしますが、実は長期的に見ると非常にコストパフォーマンスの良い生地なんです。
ケアが大変そうと思われる方もいると思いますが、実はそこまで難しくありません。
自然な復元力と防汚性を持っているので、普段はハンガーにかけて、ブラッシングのみで大丈夫ですし、クリーニングはシーズンが終わって出せば、基本はOKです。
──ウールのメリットを聞くと、1着欲しくなってしまいますね
今回は、今までスーツでしか選べなかったウール生地もビジネスカジュアルとして作れるようになりました。
上下で持てば単品使いもできるので、コーディネートもさらに楽しめると思います。
もちろん、ウール以外の生地もしっかり用意してますので、ぜひお気に入りを見つけていただけると嬉しいです。
2. 秋冬注目のおすすめ生地4選
2-1. 隠れ人気の「AUTHENTIC TRAVEL」
──AUTHENTIC TRAVELは以前からラインナップにあるウール100%の生地ですね。今回はどこが違うのでしょうか
まず大きな変更として、今までスーツしか作れなかった生地だったのですが、今回からカジュアルジャケットも作れるようになりました。
色のバリエーションも大幅に追加したので、ビジネスカジュアルを楽しめるアイテムとして進化しています。
──FABRIC TOKYOの社員の中でも根強いファンが多い、隠れ人気アイテムですよね
そうですね。この生地は「艶は控えめなのに高級感が出る」ところが通好みなのだと思います。
濃いめの色が人気のチャコールグレー
スーツでの着こなし
──さりげないこだわりって素敵ですね!他にも生地の特徴があればお願いします
糸の撚りが強くて太いので、丈夫でシワになりにくく、しっかりした印象をキープできます。また良い意味で固さのある生地なので、痩せ型の方にとっては体型カバーとしてもおすすめです。
構築的でオーダーの仕上がりの良さを感じてもらいやすい生地なので、より印象をよくしたい、カッコよく見せたいという方におすすめです。
──最後におすすめの使い方や、色などがあれば教えてください
メタルボタンを選択して、ブレザーとして使うのが面白いと思います。またカジュアルジャケットとスラックスを合わせてセットアップ風に着るのもおすすめです。
色はベーシックなものをお探しでしたら、ダークネイビー、チャコール、ブラウンがおすすめです。特に濃いめのブラウンは合わせやすいので、以前から好評をいただいてます。
より遊びたい方は、グリーンブルーやグレーミントベージュなどのカラフルな新色をコーディネートの主役として使ってみるのもおすすめです。
新色はニュアンスカラーが充実
カジュアルジャケットはこちら
AUTHENTIC TRAVEL
艶を抑えたマットな質感が魅力。アルゼンチン地方のプンタウールを使用することで防シワ性が非常に高く、長時間着ていてもずっと好印象をキープできます。控えめな上質さを求める方におすすめ。
上下スーツ・単品スラックスはこちら
2-2. 起毛感のある「STRETCH FLANNEL by BISHU」
──いかにも秋冬らしい素材感ですね
写真はグレーネイビー
これまでFABRIC TOKYOでは、化学繊維を使ってフランネル調の生地を出してきましたが、今回は天然ウールのフランネルです。
もちろん化学繊維にも魅力はありますが、天然ウールの風合いと保温性は、他には替えられない魅力があります。
──確かにとても雰囲気があります。他にも生地の特徴があれば教えてください
特に大事なのは、ビジネスで使いやすい「厚み」です。
写真はペンシルストライプのグレー
この生地はフランネル中でも細めの糸を使っているので、防寒性はありつつも、必要以上に暑くならないバランスを意識しました。
またポリウレタンを配合することで、ストレッチ性も加えています。秋冬の生地は重厚感があって動きにくいものもありますが、そういったストレスも軽減できます。
──ビジネス用途をきちんと考えて、現代的にアップデートしているのがFABRIC TOKYOらしいですね
そうですね。現代的な要素でいうと、実は色柄の雰囲気も柔らかいニュアンスを意識して選びました。
写真は千鳥格子のベージュ
フランネルの場合、クラシックなブリティッシュスタイルで男性らしさを強調するのも決して悪くないのですが、もう少しまろやかにして、性差の薄い感じにするのがFABRIC TOKYOらしいのかなと思っています。今の人のための服でありたいので、そういった方々にも自信を持って着ていただけることも大切にしたいです。
──色の選定にもそういった配慮があるんですね。最後に、おすすめの使い方なども教えてください
ズバリ上下で持つのがおすすめです。
この生地はスーツでもセットアップでも作れるのですが、どちらを選んでも単品使いが楽しめるのがポイントです。
価格的には決して手頃ではありませんが、きちんとケアして使えば、寒い季節の相棒として長く愛用できます。
コーディネートの幅広さを考えれば、満足していただけると思うので、ぜひ挑戦してみてください。
セットアップはこちら
STRETCH FLANNEL by BISHU
温かみのある印象と、長時間の着用でも疲れにくいストレッチ性が魅力の生地。繊維を密にして織るフランネルは、中に空気をたくさん含んでくれるため外気を遮断し高い保温性があります。
単品ジャケット・パンツはこちら
2-3. 風合いが魅力の「WASHABLE ACTIVE」
──色と風合いがとてもきれいですね
この生地はスパン糸という表面に毛羽のある糸を用いることで、天然素材のような風合いを出しています。さらに染まる速さの異なる2種類のポリエステルを使っているので、色に深みが出るのもポイントです。
特に、かすれた風合いが魅力のネイビーと、少しグリーンがかったチャコールは生地メーカーさんと共同開発したものなので、他ではなかなか見られないと思います。
左からネイビー/チャコールグレー
──FABRIC TOKYOは今までにもツイード調やリネン調など、魅力的なポリエステル生地を多く出してますよね。いつもどのように選んでいるのでしょうか
ポリエステルの生地を取り扱う時は、3つのことを意識しています。
「手に取りやすい価格帯であること」
「再生のポリエステルを扱うこと」
「お客さまにとって必要なものであること」です。
まずFABRIC TOKYOは若い年齢層のお客さまも多いので、手にとってもらいやすい価格であることは、とても大事だと考えています。
次に環境に配慮することもFABRIC TOKYOの価値観として大切です。現状、全てを再生ポリエステルにするには至ってないですが、この生地は再生ポリエステルの割合が多いという部分も選んだ理由の一つになります。
──最後の「お客さまにとって必要なもの」についても詳しく教えてもらえますか
はい。これは「きれいなカジュアル」であることを意味しています。職場にもよりますが、現代の働き方はスーツとビジネスカジュアルの境界がわかりにくく、ある意味で曖昧さが求められています。
普段着のようなカジュアルすぎるものは選べないし、かといってスーツを着て出勤するのも何か違う。
そういった時に安心して着れる、きれいさとカジュアルさを併せ持ったものが必要だと思っていて、WASHABLE ACTIVEもその絶妙なバランスを意識してセレクトしました。
ビジネス用のセットアップで使いやすいネイビー
ジャケパンにもおすすめのチャコールグレー
──確かにバランスが絶妙ですね。ちなみに見た目以外だと、機能的な特徴もありますか
WASHABLE ACTIVEは機能的にも優れた点が多いです。
まずシワや毛玉になりにくいので、きれいをキープしやすくなっています。その上、自宅洗いもできるので、デイリーユースでガシガシ使うのにぴったりです。
明るさが特徴のブラウン
機能的な使いやすさと、情緒的な風合いを併せ持っているのが魅力なので、セットアップのバリエーションを増やしたい方にぜひ試していただけたらと思います。
セットアップはこちら
WASHABLE ACTIVE
ポリエステルながらも、天然繊維のような風合いや色合いを持つのが特長。防シワや自宅洗いができる機能性に加え、毛玉にもなりにくく、摩耗にも強いのでデイリーで活躍します。混じり気のある色味は、休日やプライベートの使用でもおすすめ。
単品ジャケット・パンツはこちら
2-4. 初登場の「KUMOI BEAUTY」シリーズ
──以前からコーデュロイのアイテムが欲しいというお客さまの声はいただいてましたが、とうとう実現しましたね
そうですね。今までコーデュロイ生地はチノパンのみの展開だったのですが、今季からシャツとセットアップでそれぞれコーデュロイの生地をリリースしました。
正直、導入したい気持ちはずっとあったのですが、需要がそれほど大きいわけではないので、ずっとタイミングを伺っていました。
そして2022年の秋冬からビジネスカジュアルの種類を増やしていく中で、徐々に新しい提案が受け入れられている実感があったので、このタイミングであれば多くの方に挑戦していただけるだろうと判断しました。
──着実にビジネスカジュアルのバリエーションが増えていますね。生地の特徴についても教えてください
浜松にある、中部別珍コール天株式会社さんのKUMOI BEAUTYという生地を選びました。
浜松を含む静岡の遠州地区は繊維業が盛んな場所で、特にコーデュロイのクオリティが高いことで知られています。
写真はブラウン
──世界でも評価されている生地なんですね。KUMOI BEAUTYのコーデュロイはどこが違うのでしょうか
パッと見だと気づきにくいですが、仕立てた時の雰囲気がとてもきれいです。
写真はベージュ
写真はネイビー
さらに、きれいな艶としっとりとしたぬめり感があるので、カジュアルなアイテムながらも上品な見た目をしています。
──ビジネスカジュアルで使いやすそうですね。シャツとセットアップ、それぞれのポイントなども教えてください
シャツはさまざまな方に手に取っていただけるよう、畝を細めにして、色を豊富に揃えて使いやすくしました。ベーシックなブラウンやベージュだけでなく、FABRIC TOKYOらしいピンクやミントなどの明るめの色も用意しています。
手に取りやすい価格帯ですし、防寒性もあって、簡単にオシャレな印象を作れます。クローゼットに1枚加えるだけで、かなり楽しめると思います。
写真はタックアウトシャツ
一方で、セットアップは完全にコーディネートの主役として活躍するアイテムです。太い畝で重厚感が抜群なので、思いっきり差別化して秋冬ファッションを楽しみたい方におすすめです。
見た目にもインパクトがあるので、ジャケットやパンツ単体で使用するのも良いと思います。使っていくごとに味わいが出る生地なので、擦れなどの変化も含めて、楽しんでいただけたらと思います。
フォーマルシャツはこちら
KUMOI BEAUTY LIGHT CORDUROY
世界的にも有名なコーデュロイの産地である浜松で作られた生地は、細い畝の立体感や見た目のしっとりとした質感が魅力。カジュアルな印象が強いため、襟型はソフト芯のタイプや、スタンドカラーが相性がよくおすすめ。
セットアップはこちら
KUMOI BEAUTY ORGANIC COTTON CORDUROY
太畝の表情が魅力的な秋冬に活躍するアイテム。凹凸のある畝(うね)は、空気を蓄えてくれるので、暖かさを逃さず長時間キープしてくれます。吸湿性にも優れているため、べた付きが少ないのも嬉しいポイント。
単品ジャケット・パンツはこちら
3. 今季のテーマ「GOOD THINGS」に込めた想い
──今季のテーマは「GOOD THINGS」と伺いました。どうして「GOOD THINGS」なのでしょうか
「GOOD THINGS」は世の中の変化を見ている中で、だんだん「意味のある消費」が増えていると感じて、テーマにしたいと思いました。
2022年から現在にかけては、世界情勢の影響で物の価格が上がったり、寒いにも関わらず電気代が高騰したり、行動制限が解除されたりと、身近な生活に変化が起きた期間でした。
そういった中で、手軽さよりも、むしろ「意味のあるものを選ぼう」とか「一つのものを大事に使おう」という価値観で物を選ぶ方が増えたと感じます。
自分自身も使い捨てにならない良いものを提供したい想いがあり、そんな時に「GOOD THINGS」というワードが浮かんできました。
──意味のある消費って素敵ですね
そうですね。
例えば、起毛素材の暖かい生地を選べば、冬の電力消費の節約にも繋がりますし、ウールの生地を選べば、1つのものを長く大切にできますし、再生ポリエステルを選べば、環境に配慮することにも繋がります。
服にもできることって色々あると思うんです。
今回はビジネスカジュアルがメインの紹介だったのでお伝えしきれなかったのですが、スーツ生地にも今季の「GOOD THINGS」を象徴する生地があるので、こちらもぜひご覧ください
NIKKE MAF PREMIUM WOOLのスーツ
──最後に伝えたいことがあればお願いします
季節感のあるものを選んだり、意味のあるものを選ぶということは、その人自身の心のゆとりを感じられるので、周りから見ても魅力的な人に映ると思います。
FABRIC TOKYOは今までも「良いもの」に触れる機会を作ってきましたが、今回はさらに意識的に取り組んだので、ぜひ新しい挑戦をしていただいて、秋冬アイテムを楽しんでくださると嬉しいです。
今回ご紹介したアイテム
AUTHENTIC TRAVEL
艶を抑えたマットな質感が魅力。アルゼンチン地方のプンタウールを使用することで防シワ性が非常に高く、長時間着ていてもずっと好印象をキープできます。控えめな上質さを求める方におすすめ。
STRETCH FLANNEL by BISHU
温かみのある印象と、長時間の着用でも疲れにくいストレッチ性が魅力の生地。繊維を密にして織るフランネルは、中に空気をたくさん含んでくれるため外気を遮断し高い保温性があります。※一部の色は8月末の入荷予定
WASHABLE ACTIVE
ポリエステルながらも、天然繊維のような風合いや色合いを持つのが特長。防シワや自宅洗いができる機能性に加え、毛玉にもなりにくく、摩耗にも強いのでデイリーで活躍します。混じり気のある色味は、休日やプライベートの使用でもおすすめ。
KUMOI BEAUTY LIGHT CORDUROY
世界的にも有名なコーデュロイの産地である浜松で作られた生地は、細い畝の立体感や見た目のしっとりとした質感が魅力。カジュアルな印象が強いため、襟型はソフト芯のタイプや、スタンドカラーが相性がよくおすすめ。
KUMOI BEAUTY ORGANIC COTTON CORDUROY
太畝の表情が魅力的な秋冬に活躍するアイテム。凹凸のある畝(うね)は、空気を蓄えてくれるので、暖かさを逃さず長時間キープしてくれます。吸湿性にも優れているため、べた付きが少ないのも嬉しいポイント。