【2024年】PRADA|ミラノ現地取材シリーズ

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2024年の1月に開催された、「ピッティ・ウォモ」と「ミラノファッションウィーク」のレポートをシリーズで全10回にわたってご紹介します。

取材は現地在住ライターの田中美貴さんにご協力いただきました。

ファッションをより楽しんでいただけるような、24年〜25年秋冬のコレクションのトレンド情報をお届けします。


プラダ(PRADA)

ミラノファッションウィークにおいて、次のトレンドを左右する上で最も重要なブランドの一つと言われている「プラダ」。ゆえにその新コレクションには、毎シーズン大きな注目が集まる。デザインは3年前からミウッチャ・プラダとラフ・シモンズが共同で手掛けており、そのコラボレーションもすっかり定着してきた。

「プラダ」は基本的に、同社が所有するアート財団である「プラダ財団」のビルにてランウェイショーを行っており、毎回凝った舞台演出がなされることでも定評がある。

今シーズンは、エントランスはPCが置かれたパーテーション付きのデスクを並べたオフィスの雰囲気、そしてその奥には草木や小川の上にガラス張りの床が敷かれたようなセットが組まれた。これはビジネスと自然、という両極の世界を行き来する人間たちの様子を物語っており、「HUMAN NATURE(人間性)」というコレクションのテーマに繋がっている。

そんなコレクションは、特にオフィス(ビジネス)スタイルに、「プラダ」らしい独自のひねりを加えて再解釈したものだ。多くのルックはクレリックシャツにタイドアップのスタイルで、それにあわせるジャケットやコートは、このところ続いてきたパワーショルダーやボックスシルエットから、フィットしたIラインのシルエットへ移行しつつある様子だ。

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Courtesy of:PRADA

パンツもぐっと細めになり、タイツのようなジャガードストレッチパンツも多数登場する。そこにカラフルなビーニーやバラクラバ、マリンハットなどの被り物を合わせ、さらにストール、ユニークなデザインのサングラスなどのアクセサリーをプラスしたり、プラダの三角ロゴを繋げたような太ベルトや、パンツと一体型になってたベルトをコーディネートすることで、オーソドックスなビジネススタイルにツイストを加えている。

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Courtesy of:PRADA

ベルトの要素はウエストポーチやリナイロンのバックパックのストラップ部分にも使われて、今シーズンのアクセサリーの中で重要な役割を果たしている。そして足元には、テーラリングスタイルにもあえてサンダルやスリッパを合わせる提案がなされている。また、スーツやチェスターコートなどのクラシックなコーディネートの中に鮮やかな赤やグリーン、パープルなどのカラフルな色を差し色として取り入れているのも特徴的だ。

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Courtesy of:PRADA

「人々は環境と季節と共にある」という考えから、自然のサイクルとの共存もテーマとなっている本コレクションでは、様々なシーズンに対応するような、厚めの重衣料から軽めのアイテムに至るまでの広いバリエーションで展開されている。

前者では、ボリューミーなボンバージャケットやワックスレザーコート、マリンテイスト溢れるミリタリーコートやピーコートなど、ワークの要素を重視したアウター類が見られる。

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Courtesy of:PRADA

一方、後者では、カラフルなハイゲージニットとカーディガンのレイヤードや、薄手の日本製デニム地を使ったシャツとスリムパンツにネクタイまで同素材で揃えたトーンスタイルなど、薄め&軽めのコーディネートが登場する。

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Courtesy of:PRADA

テーラリングを中心としたメンズの普遍的な装いに、独自のひねりを効かせて新しい定番と多様性を提案した「プラダ」。リモートワークや地方移住が当たり前となったポストコロナの現状を反映してのことか、“自然”と“都会”という、本来は対局する2つの要素をファッションの中で共存させる流れは、一つのトレンドになりそうだ。

取材・文/田中 美貴

大学卒業後、雑誌編集者を経てイタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、デザイン&インテリア、カルチャー、食、旅などの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。コレクション取材歴は20年。TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントオーガナイズやPR、カタログ作成や翻訳なども行う。

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