ミラノファッションウィーク2025春夏|ZEGNA
2024年の6月に開催された、「ピッティ・ウオモ」と「ミラノファッションウィーク」のレポートをシリーズで全8回にわたってご紹介します。
取材は、今回も現地在住ライターの田中美貴さんにご協力いただきました。
ビジネスファッションをより楽しんでいただけるような、メンズドレスのトレンド情報をお届けします。
※全シリーズをご覧になりたい方はこちら。
Courtesy of:ZEGNA
1910年創立の老舗高級服飾生地メーカーとして、最高級の素材を活かしたコレクションで知られる「ゼニア」。
アーティスティック ディレクター、アレッサンドロ・サルトリのディレクションのもと、伝統的なテーラリングとラグジュアリースポーツウェアのテイストをうまく融合し、トップブランドのひとつとして独特のポジションを築いている。
ここ数年、「ゼニア」はミラノファッションウィークでフィナーレを飾っており、今シーズンもトリを務めた。
ショーの後、モデルたちがランウェイに残り、招待客に間近で洋服を披露するという演出も、今ではお馴染みとなっている。
今シーズンは、グローバル・アンバサダーである、俳優のマッツ・ミケルセンがモデルとしてランウェイに登場したことも話題となっていた。
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さて今回のコレクションのテーマは「US, IN THE OASI OF LINEN」。
“リネンのオアシスの中で” というようなニュアンスだが、会場のセットも、リネンの畑を再現し、その間を縫うように作られたランウェイをモデルたちが歩くという演出がなされた。
春夏シーズンには、リネンにフォーカスすることが多い「ゼニア」だが、今回はリネンが夏の素材だというだけでなく、多元性、つまり “同じように見えるものを身につけていても、一人一人の個性でオリジナルのスタイルを作る” ということを サブテーマとして提案しており、織り方や編み方によって、柔らかさと張り、手触りなど様々な表情を作ることができる素材としてリネンが活躍する。
コレクションではオーバーボリュームのボックスシルエットのジャケットやドロップショルダー気味のコート、リラックス感のあるトラウザーなどで抜け感のあるテーラリングを展開。
久々にスーツが登場している一方で、切り込みのない襟が特徴的なニットシャツやテーラードスタイルのオーバーシャツ、ざっくりしたニットなどが品のよいカジュアルを演出する。
カラーパレットは、ベージュ、ブラウン、テラコッタ、ダークグリーンなどの温かいアースカラーをメインとし、アイテムをトーン・オン・トーンでコーディネートしているのも特徴的だ。
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アイコニックな「イルコンテ」ジャケットは、アウターやレザーウェア、ジャケット、ノースリーブのジレなど、複数のバージョンが登場。
また大胆なボタニカルモチーフをプリントの開襟シャツやポロにあしらい、今シーズンのトレンドにマッチした気楽なムードを醸し出している。
メッシュポロやショーツなどモダンで若々しいアイテムも多い。そして足元は新作「モカシン」で統一した。
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自社で管理する自然保護地区「オアジゼニア」を持ち、サステナブル活動には人一倍力を注いでいる「ゼニア」。
同社生産のリネンを2024年中に100%追跡可能なものにすることを目指していることも特筆したい。
大学卒業後、雑誌編集者を経てイタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、デザイン&インテリア、カルチャー、食、旅などの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。コレクション取材歴は20年。TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントオーガナイズやPR、カタログ作成や翻訳なども行う。
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