【メンズ】礼服の基本やマナーを徹底解説!「喪服」や「ビジネススーツ」との違いとは?
スーツを着用する目的は主に「ビジネス」と「冠婚葬祭」に大別され、なかでも冠婚葬祭で着用するスーツを「礼服」といいます。ビジネススーツと比べると礼服を着用するケースがそこまでないため、いざ礼服を買おうと思ってもどういうスーツを買えば良いのか分からない人もいるのではないでしょうか。
この記事では礼服の基本知識やマナーだけでなく、「喪服」や「ビジネススーツ」との違いなどを紹介します。結婚式や葬式など、シーン別の礼服の着こなし方も紹介しています。ぜひ参考にしてください。
この記事を監修した人ファブリック トウキョウ
オーダーメイドのビジネスウェアブランド「FABRIC TOKYO」が企画・編集。現代にフィットする着こなしや、お客さまからよくいただく疑問をわかりやすく解説します。
1. 礼服とは
礼服は冠婚葬祭で着用するスーツの総称で、男性の礼服は以下の3種類に大きく分けられます。それぞれの着用シーンを理解しておくことが大切です。まずは礼服の種類について詳しく解説します。
- 「正礼装(せいれいそう)」
- 「準礼装(じゅんれいそう)」
- 「略礼装(りゃくれいそう)」
1-1. 正礼装:モーニングコート・燕尾服・タキシード
正礼装は、最も格式の高い服装です。結婚式であれば、新郎や両家の父親、仲人などの主賓が着用します。葬儀で喪主が着用することもあります。
昼間の正礼装は「モーニングコート」と呼ばれる服装です。夜間の正礼装は燕尾服(えんびふく)やタキシードです。もともと、タキシードは正礼装の次に格式が高い「準礼装」の服装でした。しかし、近年では燕尾服を着用する機会が減少したため、タキシードも正礼装とするケースが一般的になりました。それぞれの種類について以下にまとめましたので参考にしてください。
- 着用シーン:結婚式や披露宴、葬儀や告別式、格式ある式典など
- 着用する人:新郎、両家の父親、主賓、喪主など
- 着用シーン:結婚式や披露宴など
- 着用する人:新郎、両家の父親、主賓など
1-2. 準礼装:ディレクターズスーツ・タキシード
準礼装は、正礼装の次に格式の高い服装です。昼間の準礼装は、「ディレクターズスーツ」と呼ばれる服装です。夜の準礼装は基本的に「タキシード」となります。
ディレクターズスーツはシングル2つボタンのブラックジャケットにグレーのベスト、ブラック×グレーのストライプのパンツを合わせたスタイルのこと。結婚式の新郎や主賓、上司(ゲスト)などが着用します。
- 着用シーン:結婚式・披露宴
- 着用する人:新郎、主賓、上司(ゲスト)など
- 着用シーン:結婚式や披露宴など
- 着用する人:新郎、両家の父親、主賓など
1-3. 略礼装:ブラックスーツ
略礼装は格式としては、礼服のなかで最も低い装いです。「ブラックスーツ」と呼ばれる服装で一般的に結婚式や披露宴、二次会などにゲストとして招待された時に着用します。
また、結婚式だけでなく葬儀の際にも着用できるため、礼服のなかでも着用されるシーンが多い装いです。
「正礼装」や「準礼装」のように、夜間と昼間の区別がなく時間帯を問わずに着用できますが、シャツやネクタイ、小物の合わせ方は結婚式と葬儀などシーンによって使い分ける必要があります。詳しくは後述しますが、ビジネス用の黒いスーツとは生地もデザインも異なりますのでご注意ください。
- 着用シーン:結婚式や披露宴、二次会(ゲスト)、葬儀など
- 着用する人:一般招待されたゲスト(会社の同僚、友人、知人など)
2. 「礼服」と「喪服」の違いは?
喪服も礼服の一つです。礼服が、冠婚葬祭で着用する服装全般を指すのに対し、喪服は葬儀や法要で着用される服装のことをいいます。喪服も礼服のうちですが、両者の言葉の意味は大きく異なるので注意が必要です。
葬儀の参列者は喪服としてブラックスーツを着用します。喪主や故人の近親者が喪に服すときは、一般の参列者より格式の高い正礼装のモーニングコートを着用するのが正式です。
しかし、現代では喪主や遺族も、一般の参列者と同格の略礼装であるブラックスーツを着用することが増えています。一方、通夜では一般の弔問客の装いはダークネイビーやチャコールグレー、黒などのダークスーツが一般的です。
遺族以外が通夜で礼服を着用することは逆にマナー違反になることもあるので注意しましょう。また、他の遺族や近親者が喪主よりも格上の礼装にならないよう注意が必要です。
3. 「礼服」と「ビジネススーツ」の違いは?
礼服と黒のビジネススーツは、一見するとよく似ているため違いが分からない人も多いのではないでしょうか。
でも実は、色の染め方、素材、デザインなど異なる部分がたくさんあります。間違えてしまうとマナー違反になることもあるので注意が必要です。礼服とビジネススーツの主な違いについて説明します。
3-1. 色の染め方
礼服と黒のビジネススーツの大きな違いは黒の色合いです。同じように見える黒いスーツでも生地の色の染め方が明らかに異なります。
礼服はビジネススーツの黒よりも深い黒で、いわゆる「漆黒」と呼ばれる濃い黒色が特徴です。両者を並べてみると色の黒さの度合いの違いは歴然です。ビジネススーツの黒はグレーがかって見えるほどです。
3-2. 素材
礼服と黒のビジネススーツは、生地の素材にも違いがあります。礼服はウール100%の上質な生地を使用していることがほとんどで、光沢を抑えたマットな質感が特徴です。
一方ビジネススーツは、光沢や艶感がある生地が多く、機能性を高めるためにウールに加えてポリエステルを混紡した生地を使用していることもあります。礼服よりも出番が多いビジネスユースのスーツなので、ストレッチ性や耐久性を高めるために機能を重視した生地を採用しています。
礼服と黒のビジネススーツとでは、生地の質感の違いがはっきりわかるため、黒いからといってビジネススーツを礼服の代わりに着用するのはおすすめできません。先述したとおり、礼服を着た参列者と並ぶと、黒の薄さと質感の違いが目立ってしまいます。
3-3. デザイン
礼服とビジネススーツは、ジャケットのデザインにも違いがあります。基本的に礼服は、襟部分にステッチがありません。ステッチがはっきりと入っているものほどカジュアル色が強くなるからです。
また、礼服のジャケットの後ろの裾部分は切れ目がなく、よりフォーマルなデザインの「ノーベント」がおすすめです。
デイリーユースのビジネススーツでは、動きやすさを重視して裾部分に切れ目(ベント)を入れることがほとんどです。ジャケットの裾の中心に切れ目を入れたものを「センターベント」、後ろ裾の左右両端に2本の切れ目が入ったものを「サイドベンツ」と呼びます。
4. 【シーン別】結婚式における礼服の着こなし方
結婚式や披露宴に招待された場合に気をつけたいのが、立場によって礼服の選び方が異なることです。ここでは、主賓、新郎新婦の親族として出席する場合の礼服の選び方と着こなしについて説明します。
4-1. 主賓として出席する場合
結婚式の主賓は、新郎と新婦側から1名ずつ選ばれることが多いですが、複数人を主賓として祝辞をお願いすることもあります。ドレスコードが「ブラックタイ」と指定されていれば、タキシード着用を意味します。
準礼装であるタキシードの襟は、ピークドラペルやショールカラーが一般的。ピークドラペルとは、ジャケットの下側の襟が上方に向かって剣先のように尖っている形です。
ショールカラーとは、ヘチマ襟ともいわれる形で、ショールを掛けたようななだらかな曲線が特徴。ピークドラペルの下襟やショールカラーには、サテンなどの光沢のある生地が使われることが多く、より華やかさが強調されます。
4-2. 親戚として出席する場合
新郎新婦の親戚として結婚式に出席する場合は、略礼装であるブラックスーツを着用するのが一般的です。新郎新婦の近親者より格式が高くならず、昼夜どちらでも着用できる礼服です。
スーツにはジャケット縦一列にボタンが並んだ「シングル」や、縦二列にボタンが並んだ「ダブル」があります。シングルとダブルの格式は同じなので、どちらを選んでも問題ありません。
すっきりと着こなしたい20~30代の若い人はシングルを選ぶ人が多く、貫禄を出したい40代以上の人はダブルを選ぶ傾向にあります。選び方の参考にしてください。
5. 【シーン別】葬儀における礼服の着こなし方
礼服のうち、特に葬儀で着るものを「喪服」といいます。喪服の着こなしにもさまざまなマナーがあります。ここでは、立場によって異なる喪服の着こなしについて説明します。
5-1. 喪主や親族として着用
葬儀の喪主や親族が着る喪服として、最上級に正式な礼服が「正礼装」といわれるモーニングコートです。ただし、モーニングコートは昼間の時間帯に着る正礼装であるため、昨今では、通夜から告別式まで着用できるブラックスーツで通すことが増えています。
5-2. 一般の弔問客として着用
遺族や親族でなく、一般の弔問客として通夜以外の告別式などに参列する場合は、略礼装のブラックスーツが基本です。ジャケットのデザインはシングル、ダブルどちらでも問題ありません。
しかし、スラックスの裾のダブル仕上げは、「重なる」「ダブる」などを連想してしまうため縁起がよくありません。折り返しのないシングル仕上げにしましょう。
ダブルスーツに関して詳しくは「ダブルスーツとは?着用シーンやおしゃれな着こなしのポイントをご紹介」をご確認ください。
6. 礼服におすすめのブラックスーツ3選
ブラックスーツは、結婚式や葬儀で昼夜問わずに着用できる礼服として最も一般的です。子どもの卒業式や公式行事などでも着用できるので一着は用意しておきたいですね。ここでは、ビジネスウェアのオーダー専門店「FABRIC TOKYO」がおすすめするブラックスーツを3つ紹介します。
6-1. 通年・冠婚葬祭「BLACK FORMAL」
高級原料の「Super 100's」で仕上げた、高級志向のブラックスーツ。シルエットを優雅に見せてくれるため、フォーマルな場でいっそう映えます。
繊維表面のキューティクルを削り、染色しやすい状態に生地を加工することで、フォーマルシーンにぴったりの深く濃い黒に染まった一着に仕上がりました。
掲載の商品は販売を終了しました。
6-2. 春夏・冠婚葬祭「BLACK FORMAL」
通気性に優れた春夏向けのブラックスーツです。通年向けのフォーマルスーツで汗を拭きながら参列することなく、さらっとスマートに着こなせますよ。
お盆の法事でフォーマルを着る機会がある人にもぴったりです。
BLACK FORMAL
オフスケールという繊維の鱗(キューティクル)を削る加工で、染色しやすくなった状態の生地に黒染めすることによって、一般的なスーツ地の黒よりも濃いブラックフォーマル向けの生地となります。
6-3. 結婚式・パーティー「KUZURI PREMIUM SILK WOOL」
シルクをぜいたくに使っているため、ウールの上質さとともに上品な光沢感があります。
シルクは、多孔質構造の温度調節機能のある天然素材。暑い夏には冷感が心地よく、寒い日には暖かい空気を溜め込むなど、保温性があるのも特徴です。
上質素材で長く着られるフォーマルウェアとして愛着のある一着になるはずです。
KUZURI PREMIUM SILK WOOL
日本最大の毛織物産地として有名な尾州は木曽三川の豊かな水に恵まれ、古くより繊維産業の栄えた愛知県一宮市に葛利毛織はあります。
7. まとめ
今回は礼服と喪服、ブラックスーツの違いなどについて紹介しました。それぞれの違いを理解してシーンに合った着こなしをしましょう。
ビジネスウェアのオーダー専門店「FABRIC TOKYO」では、結婚式や葬儀などで着用できる礼服を多数ご用意しています。自分の体に合ったスーツが一着38,000円からオーダーできます。好きな生地を選んでカスタマイズできるのも魅力です。スーツ選びや着こなしに迷ったらお気軽にご相談ください。
FABRIC TOKYOはビジネスウェアのオーダー専門ブランドです。スーツはもちろん、シャツやカジュアルジャケット、カジュアルパンツ、チノパン、セットアップなどもオーダー可能です。20代〜40代のオーダー初心者の方にも多くご利用いただいています。
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店舗で採寸したサイズデータはオンライン上に保管されます。その後はPCやスマホからいつでもオーダーできます。「採寸したら買わないといけない」という心配も必要ありません。
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着心地やサイズ感に違和感がある場合は、お届けから50日間は無料で1回までサイズのお直しをさせていただきます。オーダー初心者でも安心してオーダーできます。
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