【2024年】JWアンダーソン|ミラノ現地取材シリーズ

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2024年の1月に開催された、「ピッティ・ウォモ」と「ミラノファッションウィーク」のレポートをシリーズで全10回にわたってご紹介します。

取材は現地在住ライターの田中美貴さんにご協力いただきました。

ファッションをより楽しんでいただけるような、24年〜25年秋冬のコレクションのトレンド情報をお届けします。


JWアンダーソン(JW ANDERSON)

北アイルランド出身のデザイナー、ジョナサン・アンダーソンが自分の名を冠したブランド「JWアンダーソン」。ジョナサンは「ロエベ」のクリエイティブディレクターとしても活躍しており、日本では「ユニクロ」との長年のコラボでも有名だ。自身のブランドについては、ジェンダーレスなテイストやユニークなデザインがまずは注目されるが、製品作りに関しても、高級素材を使い、職人技の生きた質の高いものであることで知られている。それ故に、元々はロンドンファッションウィークに参加していた「JWアンダーソン」が、このところ新コレクションの発表の場を移しているのは、物作りの土壌があるイタリア・ミラノだ。

さて、今回のコレクションは、1999年のスタンリー・キューブリック監督の最後の作品「アイズ ワイド シャット」のインテリアのインスピレーション。特にカーテン、壁に掛かっている絵画、赤の色使いなどの要素からの連想で、映画の中では背景にあったものたちをコレクションでは前面に出した。

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Courtesy of:JW ANDERSON

ゆったりしたトレーナーやニット、または巨大な袖が付いたオーバーボリュームシャツをボトムなしで着たルックや、ネグリジェのようなジャージードレスなど、ラウンジウエアのようなルックが多数登場する。そしてそこにソックスと大きなタッセル付きローファーを合わせるアンバランスなコーディネートも興味深い。
インテリアからの連想は素材にも表れていて、クッションのようなサテンの裏地がのぞくカーディガンやブルマー、ラグのような編みのニットポロなども登場する。

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Courtesy of:JW ANDERSON

「アイズ ワイド シャット」の中で印象的に使われていた鮮やかな赤が、ロンパースとハイヒールのコーディネートや、ビッグシルエットのカーディガンやジャケット、ポインセチアのコサージュなど各所に活かされる。

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Courtesy of:JW ANDERSON

また、この映画のインテリアを作成した、監督の妻であるクリスティアーヌ・キューブリックへのオマージュで、アーティストとしても活躍している彼女の作品を全体的にプリントしたニットやドレスも見られる。トレンチやブルゾンなどのアウター類や、ワークパンツやデニムなどのスポーティなボトムスも差し込まれるが、これらはかなりのオーバーボリュームだったり、長すぎるほどの丈で、極端なバランスを醸し出している。そんな部分も、妄想と現実が入り混じったストーリーの「アイズ ワイド シャット」に流れる不安定な雰囲気に繋がっているかのようだ。

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Courtesy of:JW ANDERSON

今回のショーでも秋冬メンズコレクションとプレフォールウイメンズコレクションを合同発表しているが、メンズとウイメンズの間でのアイテムの差はないに等しいような、お得意のジェンダーレスなテイストが見られた。メンズモデルが普通にブルマーやスカート、ドレスを着ており、また全員のモデルが黒の薄手のストッキングをはいて登場していたのも印象的だった。

ミラノメンズの今シーズンのキーワードの一つとして、フェミニンなアイテムやディテールが使われていることが挙げられるが、デビュー当時からジェンダーを超越した表現をしてきた「JWアンダーソン」はトレンドに関係なく、今シーズンも独自の道を行く。

取材・文/田中 美貴

大学卒業後、雑誌編集者を経てイタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、デザイン&インテリア、カルチャー、食、旅などの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。コレクション取材歴は20年。TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントオーガナイズやPR、カタログ作成や翻訳なども行う。

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