ミラノファッションウィーク2025春夏|dunhill
2024年の6月に開催された、「ピッティ・ウオモ」と「ミラノファッションウィーク」のレポートをシリーズで全8回にわたってご紹介します。
取材は、今回も現地在住ライターの田中美貴さんにご協力いただきました。
ビジネスファッションをより楽しんでいただけるような、メンズドレスのトレンド情報をお届けします。
※全シリーズをご覧になりたい方はこちら。
Courtesy of:dunhill
イギリスを代表するメンズラグジュアリーブランドとして知られる「ダンヒル」。
1880年に馬具専門製造卸売業としてロンドンで創業した会社を1893年にアルフレッド・ダンヒルが引き継いで衣類や小物の製造業に乗り出し、自身の名を冠したブランドをスタートした。
そして現在では紳士服を中心にアクセサリー関連も製品も取り扱う、トータルブランドに成長している。
先シーズンからは、これまで「アニオナ」や「ジェームスパーディーアンドサンズ」をディレクションしてきた、サイモン・ホロウェイがチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任し、今年の2月にはロンドンにて初のコレクションを発表した。
そして、二回目となる今回はミラノを発表の場として選び、現在はミュージアムになっている旧貴族の邸宅、ポルディ・ペッツォーリ邸のプライベートガーデンにてショーを開催。
招待客たちは緑が溢れる庭園に並んだテーブルに着席し、ウェイターがサーブするピムズ(イギリスの夏の飲み物)を片手にショーを見るという英国風の演出がなされた。
サイモン・ホロウェイが「これはオフィスに行くためのベーシックな服ではありません。人生を楽しむための服なのです」と語っているように、コレクションでは英国らしいクラシシズムへの回帰を強調しつつも、軽さやリゾート感を加えた楽しい着こなし、ひいては今のムードにマッチした紳士のワードローブの進化系を提案している。
テーラリングは、グレンチェック、ウインドーペーン、ヘリンボーンなど英国の伝統的なパターンを、軽い素材で仕立てたジャケットやスーツで展開する。
ボトムにはショーツを合わせた若々しいスタイルも見られる。
Courtesy of:dunhill
タイドアップやスリーピースなどのクラシックなコーディネートも目立つが、色使いにはグレーやネイビーだけでなく、バーリーブルー、コーラルレッド、ブリティッシュタン、クラシックカーキなどの遊び心のあるカラーパレットも加わってリラックスした雰囲気だ。
ザ・ハーリンガム・クラブで開催される「アルフレッド・ダンヒル・パデル・クラシック」のユニフォームスタイルや、スポーツ観戦時の装い、または夜の祝賀会におけるイブニングウエアなどの英国社交界のカレンダーを参考に、フォーマルとインフォーマルのドレスコードをコレクションに盛り込んでいる。
Courtesy of:dunhill
一方、アウターでは、モートリティーズ(Motoring=自動車とAuthorities=権威を組み合わせた造語で、1920年代に「ダンヒル」がドライビングウエアやクルマ関連のアイテムを手がけていた時代のコンセプト)のアーカイヴからインスピレーションを受けた、撥水加工を施したダブルフェイスのリネンのカーコートやスエードのドライビングジャケットなどが登場する。
同様にアーカイブからの連想で生まれたセンチュリーズ レザーグッズ コレクションによる革小物たちや、ドッグ・ヘッド・ハンドルがあしらわれた傘、 ドライビンググローブなどのアクセサリー類が英国の上質なエレガンスをプラスしていた。
Courtesy of:dunhill
大学卒業後、雑誌編集者を経てイタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、デザイン&インテリア、カルチャー、食、旅などの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。コレクション取材歴は20年。TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントオーガナイズやPR、カタログ作成や翻訳なども行う。
「FABRIC TOKYOでオーダーしませんか?」
FABRIC TOKYOはビジネスウェアのオーダー専門ブランドです。フォーマルからビジネスカジュアルアイテムまでオーダー可能です。
一度採寸すれば、あとはスマホでオーダーできるので、まずは採寸だけしてみたいという方も大歓迎です。
ぜひ一度、お近くの店舗へお越しください。