
ミラノファッションウィーク2025秋冬|展示会 #1
2025年の1月に開催された、「ピッティ・ウオモ」と「ミラノファッションウィーク」のレポートをシリーズで全9回にわたってご紹介します。
取材は、今回も現地在住ライターの田中美貴さんにご協力いただきました。
ビジネスファッションをより楽しんでいただけるような、メンズドレスのトレンド情報をお届けします。
※全シリーズをご覧になりたい方はこちら。
Courtesy of:Brioni
2025年1月17~21日、2025~26年秋冬ミラノメンズ・ファッションウイークが開催された。イタリアファッション協会の発表によると、20のショー(うち4つがデジタル)、41のプレゼンテーション、7のイベント、計68の発表が行われたそうだ。
今シーズンは、今年が100周年となる「フェンディ」や20周年の「Dスクエアード2」などウィメンズとあわせてアニバーサリーを祝う予定のブランドを始め、「グッチ」、「エトロ」、「モスキーノ」など、2月のウイメンズファッションウィーク中にメンズ・ウイメンズ合同ショーを予定しているところが多かったこともあり、大手ブランドのショーが少なめのファッションウィークとなった。その分、展示会形式でしっかり製品を見せたブランドの重要度が増していた。
ここでは、そのようなプレゼンテーションに焦点を当てたレポートを前後編で紹介する。
最高峰の素材と職人技で知られる、今年創立80周年の「ブリオーニ」は、セルベッローニ宮の荘厳な広間で、コンテンポラリーダンスを交えたプレゼンテーションを行った。これは「ブリオーニ」を纏ったダンサーたちによる大胆な動きにしなやかに対応する、第二の肌のような「ブリオーニ」の軽さを物語っており、同時に今シーズンのテーマである「A movement in style(動きに宿るスタイル)」を体現している。
実用性のあるアイテムやレジャーウェアを強化し、フィールドジャケット、ダブルスプリッタブル素材のトレンチコート、ブルゾンなどテーラーの仕立ての技を生かしたアウターが数多く登場する。スーツやジャケットは、エレガントながらも軽い仕立てで、ホワイトカラーシャツやニットタイと合わせることで、カジュアルなシーンにも対応する汎用性の高いデザインになっている。
Courtesy of:Brioni
シアリングを施したディアスキンのレザーボンバーにストレッチ素材のインナーを使ったり、アーカイブのブルゾンをテクニカル素材で再現したりといった機能性を入れ込んだアイテムもある。アクセサリーも、ブーツやチャッカブーツ、ベルベットスリッパ、大きめのダッフルバッグなど、柔らかさと実用性を取り入れたアイテムが揃った。
Courtesy of:Brioni
カラーパレットはニュートラルカラー、ダークグレーやブラウンといったシックな色調にパウダーピンクやティールブルーが差し色として使われ、ワントーンでコーディネートした提案が多い。とはいえ、クロコレザーのジャケットや、24金の糸を使って仕上げたタキシード、手仕事でビーズを施したドレスジャケットなど、「ブリオーニ」らしい究極の豪華アイテムも鎮座していた。
Courtesy of:Brioni
昨年90周年を迎えた老舗「カナーリ」は、完全イタリア製で、テーラリングの伝統と質を守りつつ、カジュアル&スポーティなアイテムにも力を入れているブランドだが、今シーズンもモダンなテイストを加えつつ、動きやすさを重視した柔らかなシルエットで展開する。
Courtesy of:CANALI
「カナーリ」の本拠地であるブリアンツァ地方は、イタリア随一の高級家具の生産地としても知られている。今回はそんな家具からのインスピレーションで、フロアーのパターンやデザインピースのアイデアをアイテムに落とし込み、ラウンジ フォーマルというアイデアで、インテリアのリラックス感を外出着で表現した。インスタレーションの舞台に置かれている椅子は、ブリアンツァに拠点を置く高級インテリアブランド、「モルテーニ」とのコラボで、「カナーリ」 のコレクションに使われている生地をった椅子も登場した。
Courtesy of:CANALI
そんなインテリアとのつながりは、プルオーバーやスカーフのジャカードに使われたインレイ フロワーから着想を得たひし形模様や、アームチェアやクッションにも見られるテクスチャー使いがなされたドネガルウールのニットやオーバーコートにも現れる。
Courtesy of:CANALI
また、ローブを連想させるようなベルト付きの流れるようなコートや、巻物からアウターまで様々に登場するニット類がリラックス感を加え、タイドアップのスタイルにコーデュロイのパンツを合わせたり、テーラードジャケットにパーカをコーディネートしたりといったコーディネートでフォーマルとカジュアルをミックスする。
Courtesy of:CANALI
カラーパレットは、ブリアンツァグリーン、ミルキーホワイト、ミッドナイトブルー等を基調に、カメオ、オイル、オタニウムの鮮やかなアクセントカラーで展開した。
Courtesy of:CANALI
スウェーデン・ストックホルム発のブランド「アワー レガシー」は、2005年、クリストファー・ニーイングとヨックム・ハリンのドゥオによってスタート。ベーシックなワードローブを基調としながら、ヴィンテージやミリタリー、ストリートなどのエッセンスも加えたデザイン、カスタム開発された素材などに魅了されるファンが多いアップカミングなブランドだ。
今シーズンは、昔のタバコ屋の雰囲気からカラーパレットを構築。ブラウンやグリーン、スモークイエローなどのアースカラーが登場する。展示会会場の入り口には、そんなタバコ屋のイメージで作られた段ボール製の小さなショップが作られている。そこには、同コレクションのイメージボードが飾られており、同じ一人のモデルがレイヤードやメイクによって、全く別のスタイルとなる対照的な2枚の写真が対で並べられ、ルックと環境によって変容する様子を表現する。
コレクションでは、デニムやトラックスーツなどカジュアルな定番アイテムはもちろんのこと、今シーズンはテーラードテイストのジャケットやロングコートなどクラシックなアイテムも多数登場する。これらのクラシックなアイテムにシャツをレイヤードして合わせることでコーディネートにひねりを加える。また、シャツブルゾンやパファートレンチ、パファージャケットなどアウター系も充実。ウール、シルク混のセーターや透け感のあるニットなども登場した。
大学卒業後、雑誌編集者を経てイタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、デザイン&インテリア、カルチャー、食、旅などの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。コレクション取材歴は20年。TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントオーガナイズやPR、カタログ作成や翻訳なども行う。
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