ミラノファッションウィーク2025春夏|PRADA
2024年の6月に開催された、「ピッティ・ウオモ」と「ミラノファッションウィーク」のレポートをシリーズで全8回にわたってご紹介します。
取材は、今回も現地在住ライターの田中美貴さんにご協力いただきました。
ビジネスファッションをより楽しんでいただけるような、メンズドレスのトレンド情報をお届けします。
※全シリーズをご覧になりたい方はこちら。
Courtesy of:PRADA
ミラノのトレンドセッター的存在の「プラダ」。
現在はミウッチャ・プラダとラフ・シモンズが協業してデザインを手掛けているが、このデュオによるコレクションへの評価も年々アップしている様子だ。
「プラダ」は通常、同社が所有するアート財団である「プラダ財団」のビルにてランウェイショーを行っており、毎回その凝った舞台セットに注目が集まる。
今シーズンは、会場に白い小さな小屋が設置され、そこから曲がりくねったランウェイが伸びているような演出。
それはまるでおとぎの世界のようなイメージで、モデル達が小屋を出ると、そこにはユートピアが広がっているかのようだ。
「本コレクションは、自由な対話から生じた直感的な思いつきから生まれました。ある瞬間、心によぎったことを意外な方法で組み合わせるという方法を採用しました」とデザイナー達は言う。
自由な精神、若々しい楽観主義、そしてエネルギーをコレクションで表現したのだとか。
そんな今シーズンは、良い意味での “フェイク” な要素を盛り込んだ、遊び心溢れるコレクションとなっている。
コレクションのテーマである「CLOSER(より近くに)」に繋がるかのように、アイテム自体はジャケット、シャツ、コートやニット、トラウザーなどのベーシックなワードローブながら、遠くからではわからないが、近くで見ると識別できるようなディテールがふんだんに盛り込まれている。
それは表面が波打っているような濃淡が施されたポロやシャツ、ベルトをしているように見えるが実はベルトの一部だけが縫い付けられたパンツ、ツイードのように見えて実はプリントのパンツ、そしてトロンプルイユでレイヤードしているように見えるが実は1枚のニット・・・等々。
また、襟や裾にワイヤーを入れてくしゃくしゃにすることで有機的なフォルムを形成するシャツやジャケット、意図的にしわを施したパンツやシャツ、パティーナ加工で使い込まれたような風合いを出したレザージャケットなども登場する。
Courtesy of:PRADA
トップはやや短めかつタイトに、ボトムはローライズでゆったりめのストレートなシルエットが主流で、ミニマルなアイテムたちには祖父や父のワードローブを借りてきたようなちょっとレトロな雰囲気が漂う。
そしてそこに、イエロー、ライトブルー、ピンクなどの明るい差し色を積極的に入れ込んでいる。
このポップな色使いはスエードのトートバッグやボストンなどのバッグのシリーズでも展開される。
Courtesy of:PRADA
さらに、アーティスティックな要素をしばしば入れる「プラダ」らしく、20世紀後半のフランスを代表する具象画家、ベルナール・ビュフェの絵画がプリントされたTシャツも登場。
また、全体に大ぶりなジップがあしらわれたユーティリティに溢れるカラフルなジャンプスーツなども揃い、コントラストを醸し出している。
Courtesy of:PRADA
大学卒業後、雑誌編集者を経てイタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、デザイン&インテリア、カルチャー、食、旅などの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。コレクション取材歴は20年。TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントオーガナイズやPR、カタログ作成や翻訳なども行う。
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