サキソニーとは?フランネルとの違いやスーツに合わせたい柄を紹介
「スーツにもよく使われるサキソニーってどんな素材なんだろう?」
「フランネルやメルトンなどとはどんな違いがあるんだろう?」
耳にする機会はあっても、サキソニーの特徴やフランネルとの違いなどまでは知らない人も多いのではないでしょうか。サキソニーは上質なメリノウールが使われた素材の生地で、艶感や高級感があるのでスーツにもよく使われます。
今回は、サキソニーの特徴やフランネルなど秋冬素材との違い、サキソニーに合わせたい柄について紹介します。ぜひ参考にしてください。
この記事を監修した人ファブリック トウキョウ
オーダーメイドのビジネスウェアブランド「FABRIC TOKYO」が企画・編集。現代にフィットする着こなしや、お客さまからよくいただく疑問をわかりやすく解説します。
1. サキソニーの魅力と特徴
サキソニーはウールの中でも最高級のメリノウールで作られています。縮絨(しゅくじゅう)と呼ばれる仕上げのあとに起毛して、なめらかな光沢を出すメルトン加工が施されている綾織の毛織物です。綾織とは、「たて糸」「よこ糸」の繊維を一定の規則性でずらして織った生地のことで、「ツイル」とも呼ばれ、代表的な生地にデニム生地やダンガリーなどがあります。
ドイツのサキソニー地方で作られていた生地に由来して「サキソニー」と名付けられました。薄手で軽く、柔らかな手触りや、よく見ると斜めに織模様が入っているのが特徴です。サキソニーは秋冬素材のフランネルやメルトンなどともひと味違う独特の高級感があり、艶やかさも備えています。
そのためフォーマルな装いに使われることが多く、スーツにも最適です。適度な保温性もあるので、春先などのまだ少し冷える季節にちょうどいい素材といえるでしょう。
2. サキソニーと似ている3つの素材
サキソニーと似ている素材に、「フランネル」「メルトン」「ツイード」などがあります。いずれも秋冬のスーツの素材として人気です。
それぞれの素材の特徴やサキソニーとの違いに注目してみましょう。
2-1. 起毛が特徴【フランネル】
フランネルは太くて短い毛足の羊毛を紡績した紡毛糸(ぼうもうし)で作られており、サキソニーと同じように柔らかな手触りの素材です。「ネル」と省略して呼ばれることもあります。生地の片面または両面が起毛しているのが特徴で、保温性に優れています。
軽くて艶感のあるサキソニーに対して、フランネルは平織で重量感とフェルト感が強いのが大きな違いです。ただし、見た目の重量感のわりに実際はそこまで重たくないので、快適な着心地を叶えてくれます。チェック柄が定番のネルシャツ、コート、スーツ、ブレザーなどさまざまな秋冬アイテムに使用されています。
2-2. 厚手で滑らか【メルトン】
メルトンは紡毛糸から作られた織物を縮絨(しゅくじゅう)し、起毛させて毛先を整えた生地の素材です。ウールのみで作られた高級な生地と、化学繊維とをミックスした生地の2種類があります。
滑らかな手触りをしていますが、サキソニーとは対照的に分厚くて重く、綾目が見えないほど密な生地であることが特徴です。抜群の保温性と撥水性を誇り、真冬のダッフルコートやピーコート、軍服やスタジャンにもよく使われています。
カジュアルにも着こなせますが、落ち着いた重厚感や高級感があることから、フォーマルなシーンや秋冬のスーツにもぴったりです。
2-3. 優れた保温性【ツイード】
ツイードも紡毛糸を用いて織られた生地です。ただし表面に起毛加工をしていないので、織り目がはっきり見えるのが特徴です。
サキソニーと比べると生地が分厚く、防寒性に優れています。コートや秋冬のジャケットの素材によく採用されています。
ツイードは耐久性もあり、起毛素材と比べると毛玉もできにくいことから、親子三代で継承できるほど長持ちするのも魅力の一つです。ツイードの中でもハリスツイード、ドネガルツイード、シェットランドツイードは三大ツイードと呼ばれ、世界中で人気を誇っています。
3. サキソニーのスーツにおすすめの柄
サキソニーにどんな柄を合わせると、おしゃれでこだわりの感じられるスーツに見えるでしょうか。サキソニーならではのラグジュアリーな雰囲気と艶感がより一層引き立つ3つの柄を紹介します。
3-1. シャープで洗練された印象【ストライプ】
薄手で洗練されていて優雅な雰囲気が漂うサキソニーには、スマートなストライプ柄がよく合います。ストライプは太さや間隔によって印象が変わってきますが、とくに間隔が狭くて細いピンストライプは知的で誠実な印象を与えられるので、フォーマルやビジネスシーンにおすすめです。
スーツ発祥の地・イギリスでも、「ストライプ×ネイビー」のスーツは定番のスタイルとして好まれています。ストライプは間隔が狭いほど目立たず落ち着いて見えるので、さりげないストライプ柄のスーツならシャツやネクタイ選びに困ることもありません。
3-2. エレガントな印象【ヘリンボーン】
ヘリンボーンとは「ニシンの骨」という意味で、その名の通り魚の骨のような模様を指します。ヘリンボーン柄のスーツは、基本的に一色しか使わないので、柄物でも控えめに仕上がります。細めの柄だとシャープな印象に、太めの柄だと落ち着いた印象になります。
一見、無地に見えるほどのさりげなさですが、艶感のあるサキソニーなら光の当たり方で柄が引き立つので、より一層エレガントな雰囲気が醸し出せます。個性を出しすぎず、かといって無地よりおしゃれにしたいというわがままをヘリンボーンは叶えてくれます。
3-3. クラシカルな印象【グレンチェック】
グレンチェックは19世紀初頭にイギリスで考案された歴史あるデザイン。正しくは「グレナカート・チェック」といいます。千鳥格子などの細かい格子を組み合わせた柄で、明るめの糸と暗めの糸を繰り返し織ってあるのが特徴です。
同系色の組み合わせが基本ですが、カラーラインで差し色を入れたデザインも人気で、トラディショナルにもカジュアルにも着こなせます。他のチェックと比べると知的で落ち着いた印象で、なおかつ上品で温かみのある雰囲気になります。艶感が魅力のサキソニーに合わせるとクラシカルで大人な印象に仕上がるでしょう。
4. サキソニー素材のメンテナンスと注意点
どんな素材でも、きれいな状態で長く愛用するためにはメンテナンスが重要です。サキソニーのメンテナンスにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。ベストなお手入れ方法を紹介します。
4-1. 1メンテナンスはブラッシング
サキソニーは毛羽が目立つと艶が消え、見た目が悪くなってしまいます。そのため、サキソニーのお手入れにはなんといっても毎日のブラッシングが必須です。ブラシは毛質がしなやかで柔らかい「馬毛」のものがおすすめです。硬い「豚毛」のブラシだと繊維を傷めてしまうこともあるので気をつけましょう。
ブラッシングのポイントは、最初は繊維の目と逆方向に優しくブラシをかけて汚れを浮かせたあと、繊維の目に沿って払うようにブラシをかけるようにすることです。ブラシにもほこりや繊維が溜まるので、ブラシ自体のケアも忘れないようにしましょう。
4-2. 水に濡れないように注意!
サキソニーはウォータースポットができやすく、水に弱いという特徴もあります。ウォータースポットとは水分が付着することによって繊維がダメージを受けたり、毛並みが乱れたりすることで、乾いたあと光の反射が均一でなくなりシミに見える現象のこと。
糸が変色したわけではなく、繊維の形が変化して色が異なって見えます。光沢感のある素材に生じやすいので、表面を艶やかに見せるメルトン加工が施されているサキソニーも注意が必要です。そのため、雨の日にはサキソニー素材のスーツやジャケットは着用しないほうがよいでしょう。
5. サキソニー素材の魅力を活かしたスタイルを楽しもう
薄手で軽やか、なおかつラグジュアリーな質感が特徴のサキソニーは、大人のスーツスタイルにおすすめの魅力的な素材です。柄によって雰囲気が変わるので、この記事を参考に自分らしいスーツを見つけてください。
サキソニーに限らず、自分に合った雰囲気の素材やデザインでお気に入りの1着を見つけたいときは、オーダースーツを検討してみてはいかがでしょうか。自分らしいスーツを見つけて、ぜひおしゃれに着こなしてください。
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