
ミラノファッションウィーク2026|Emporio Armani・Giorgio Armaniの春夏トレンドを徹底解説
2025年の6月に開催された、「ピッティ・ウオモ」と「ミラノファッションウィーク」のレポートをシリーズで全9回にわたってご紹介します。
取材は現地在住ライターの田中美貴さんにご協力いただきました。
ビジネスファッションをより楽しんでいただけるような、メンズドレスのトレンド情報をお届けします。
※全シリーズをご覧になりたい方はこちら。
イタリアを代表するデザイナーの一人であり、“モード界の帝王”と呼ばれるジョルジオ・アルマーニは、1975年に自身の名を冠したブランド「ジョルジオ アルマーニ」をスタート。
その上質な素材と着心地の良さ、美しいシルエットのタイムレスなデザインで、セレブを始め世界的人気を博し、現在もファッション界のトップブランドの一つとして君臨している。
現在、ミラノファッションウィークでは、トレンドやモダンなデザインをより意識して1981年にスタートしたディフュージョンライン「エンポリオ アルマーニ」と両方のコレクションを発表している。
まず2026年春夏の「エンポリオ アルマーニ」のコレクションでは、「ORIGINS」をテーマに異文化への純粋な関心という自身の美学の原点に立ち返り、アフリカ文化にインスピレーションを受けた色彩やアイデアをちりばめた。
Courtesy of:Giorgio Rrmani
クレープやリネンなど素朴な質感の生地を多用し、砂、土、赤土などの低温染色の技法で砂漠の強い日差しにさらされたようなトーンや、ゴールドやシルバーなどエキゾチックな色で展開。
モロッコのモザイクやベルベル人のテントからの着想の幾何学的なモチーフ、タトゥーを連想させるスモッキング刺繍やビーズとシルク糸の刺繍、またはジャケットやジレについたフリンジやタッセルなどのディテールで、アフリカのテイストを色濃く出している。
素肌に着た柔らかなジャケット、ワイドパンツやアラジンパンツ、長いチュニックやポンチョなどにも民族的ムードを出しつつ、軽やかで流動的なフォルムで、ジョルジオ・アルマーニらしい洗練されたスタイルに仕上げている。
Courtesy of:Giorgio Rrmani
またスポーツウェアラインである「EA7 エンポリオ アルマーニ」もショー前半に登場し、アフリカや砂漠に通ずるような、サンプロテクト機能のあるテクニカル素材のマウンテンパーカやポンチョ、トラックパンツやバミューダなどが展開された。
一方、「ジョルジオ アルマーニ」のコレクションは、「調和が奏でるシグネチャー」というテーマで、都会と休日、西洋と東洋、南と北などの相反する要素を様々に織り交ぜながら、ジョルジオ・アルマーニらしいバランス感のあるシグニチャースタイルを追求した。
Courtesy of:Emporio Armani
ボタン位置が低く丈は短めのショールカラーのダブルブレストジャケット、ティアドロッププリーツのワイドパンツ、シャツのように軽やかなトレンチコートやジャケットなど、テーラードスタイルもゆったりとリラックスした仕上げになっている。
Courtesy of:Emporio Armani
また、アルマーニらしいオリエンタルテイストも生きており、スタンドカラーのセットアップやノーラペルのジャケット、またはエスニックなプリントのシャツで異文化のタッチを加える。
Courtesy of:Emporio Armani
極薄のニットや袖をロールアップしたシャツ、またはロープのような編み込みのベルト、キャンバスのバッグ、ラフィアのハットなどのアクセサリーにはリゾート感が漂っている。
色使いはグレージュやアイスブルー、ミントグリーンなど優しい色の中に深みのあるブルーやアクアマリン、ブーゲンビリア、シクラメンといった地中海の色彩を盛り込んだ。
大学卒業後、雑誌編集者を経てイタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、デザイン&インテリア、カルチャー、食、旅などの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。コレクション取材歴は20年。TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントオーガナイズやPR、カタログ作成や翻訳なども行う。
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