
ミラノファッションウイーク2026|春夏の最新トレンドを徹底解説 #2
2025年の6月に開催された、「ピッティ・ウオモ」と「ミラノファッションウィーク」のレポートをシリーズで全9回にわたってご紹介します。
取材は現地在住ライターの田中美貴さんにご協力いただきました。
ビジネスファッションをより楽しんでいただけるような、メンズドレスのトレンド情報をお届けします。
※全シリーズをご覧になりたい方はこちら。
2025年6月20日から23日、「26年春夏ミラノメンズ・ファッションウイーク」中に行われたプレゼンテーションのレポート後編。
前編では、洋服のブランドを取り上げたが、後半は主に靴、バッグなどの革小物系ブランドを中心にピックアップする。
チャーチ(Church)
イギリスの靴の名産地、ノーサンプトンで1873年に創業した正統派英国靴の老舗「チャーチ」は、ピッコロ・テアトロ・スタジオ・メラートという由緒あるシアターにてプレゼンテーションを開催した。
Courtesy of:Church
今シーズンは1929年に誕生した「チャーチ」のアイコンモデルの一つ「シャンガイ」にサマーバージョンが登場。
個性的なデザインはそのままに、グッドイヤー製法と軽量パッド入りのレザーソールをあわせることにより、ソフトでライトな履き心地を実現する。
Courtesy of:Church
アッパーはレーザー技術を用いて、一枚革をホールカットデザインを作成し、ディストレス加工を加えた。ローファー、レースアップ、アンクルブーツなどの様々なスタイルが揃う。
Courtesy of:Church
さらに先シーズンに登場したグッドイヤー2.0製法を用いて仕上げられるカジュアルなダービースタイルの「ブリティッシュ・スプリング」コレクションと、深みのあるブルー、グリーン、バーガンディといった新色を前面に出した、気品ある洗練されたデザインのシューズ、「クラウン」コレクションも発表された。
トッズ(Tod’s)
イタリア屈指の靴の名産地であるマルケ州にて靴のブランドからスタートし、現在ではトータルファッションとして展開しているラグジュアリーブランド「トッズ」。
Courtesy of:Tod’s
今シーズンもお馴染みのネッキ宮にて、「ゴンミーノ クラブ」というテーマで洋服と革小物のプレゼンテーションを開催した。
クリエイティブ ディレクターのマッテオ・タンブリーニが「オープンエアの光と軽やかさに満ちたイタリアの夏への憧れから生まれた」と語るコレクションで、レジャーとアウトドアライフのテイストに溢れる。
Courtesy of:Tod’s
コンパクトリネン、クレープコットン、トラベルウール、シルクキャンバス、などの素材で、アンコンジャケットやサファリジャケット、ドローストリングスのパンツなどを、リラックスした自由な流れるようなシルエットで仕上げている。
Courtesy of:Tod’s
今シーズンも注目の、シルクのように柔らかい最高品質のレザー「パシュミー」はボンバージャケットやアンコンブレザー、 コーチジャケットなど定番アイテムで展開する。
Courtesy of:Tod’s
そして、同社のアイコンであり永遠の定番であるゴンミーニには、ゴンミーニ バブルやバルカ(ボートシューズ)、ミュールなどのバリエーションが揃った。ローファーやスニーカーのソールとしてもゴンミーニが採用されたり、一粒の深紅のゴンミーノ「レッド ドット」も登場。
パシュミーやナッパレザーを使用した、メタルバックルのサドルストラップがアクセントの軽くて柔らかいローファーも加わった。
またバッグ類は「トッズ ディーアイ バッグ フォリオ」のトートや、パシュミー&キャンバスのトレッキングスタイルのバックパックが登場した。
モンブラン(Montblanc)
1906年に万年筆メーカーとして創業し、現在ではその世界最高峰として知られる「モンブラン」だが、レザーグッズやアクセサリーなど、その他の様々なカテゴリーでもそのクリエーションを発揮している。
ミラノメンズファッションウィークでは、その直前に世界初公開された、ウェス・アンダーソン監督によるキャンペーン用の最新ショートフィルム「Let's Write」のセットをそのまま利用してプレゼンテーションを行った。
Courtesy of:Montblanc
ソフトな構造のブリーフケース、バッグを包み込むベルトディテールが特徴的なクロスボディバッグ、フロントに縦型ジッパー付きコンパートメントを備えたコンパニオン・バックパックなど、旅にもビジネスにも対応するレザーグッズの新作が登場。
Courtesy of:Montblanc
折り畳まれた手紙の軽快な幾何学模様からインスピレーションを得たエンベロープ・コレクションや4810モチーフをプリントデニムで再解釈したシリーズも展開される。
アイテムはキャンペーンフィルムのカラーパレットから、インスピレーションを得た色使いを採用。
また、クロージャ―が筆記具になっているリフィル式ノートブックホルダー、ペン先型の留め具をあしらったペンポーチ、そして精巧に作られた筆記具用コフレなど、文房具に纏わるアクセサリーの新作も多数登場した。
Courtesy of:Montblanc
さらにオーダーメイドのモンブラン・デスクも展示され、製造プロセスで使用されるオリジナルのデザイン、スケッチ、道具、素材などのインスタレーションも披露された。
サントーニ(Santoni)
マルケ州にて1975年に創業し、その上質なモノづくりと革新的なデザインでトップブランドとなった「サントーニ」。
厳選された素材を使い、自社工場で作られる質の高い製品で知られる。今シーズンの目玉は、シルクのように柔らかなスエード「セータ」レザーで、この素材は様々な新作に採用されている。
Courtesy of:Santoni
それを同社のシグニチャーである「ヴェラトゥーラ」技法を使い、地元であるアドリア海の自然を連想させるような色合いで仕上げている。
今シーズンはローファー「カルロ」がクラシックとドライビングの両方のバリエーションで復活。裏地のない「セータ」スエードを使い、ラバーインサート付きレザーソールによって、機能性と美を兼ね備えた。
またカジュアルなラバーソールのローファー「マリブ」は、フロントにリボンがついた仕様でアップデート。
新作スニーカー「モンテカルロ」は、クラシックなダービーシューズのラインを彷彿させつつ、シューレース部分に伸縮性があるのでそのまま着脱できる仕組みで、実用性かつ快適なアイテムだ。オレンジのトリムがモダンな個性を与えている。
Courtesy of:Santoni
バッグ類でも「セータ」レザーを使い、「ヴァンガード」ラインのウィークエンドバッグ、バックパック、ブリーフケースが登場した。
大学卒業後、雑誌編集者を経てイタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、デザイン&インテリア、カルチャー、食、旅などの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。コレクション取材歴は20年。TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントオーガナイズやPR、カタログ作成や翻訳なども行う。
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