
ミラノファッションウィーク2026|Paul Smithの春夏トレンドを徹底解説
2025年の6月に開催された、「ピッティ・ウオモ」と「ミラノファッションウィーク」のレポートをシリーズで全9回にわたってご紹介します。
取材は現地在住ライターの田中美貴さんにご協力いただきました。
ビジネスファッションをより楽しんでいただけるような、メンズドレスのトレンド情報をお届けします。
※全シリーズをご覧になりたい方はこちら。
1970年にスタートした、英国を代表するファッションライフスタイルブランド「ポール・スミス」。
現在では60以上の国や地域でおよそ130の店舗を展開する。創業者かつデザイナーのポール・スミスがポジティブな姿勢や好奇心、創造性でデザインするアイテムは、日本にもファンが多い。
そんな「ポール・スミス」は、昨年の6月のピッティ・ウオモでのスペシャルイベントのゲストとして31年ぶりにフィレンツェでコレクションを発表(PS ポール スミスとしては2017年に参加)したが、今シーズンは、パリからミラノへ発表の場を移し、ミラノで初めてのショーを開催した。
ミラノ本社をショー会場として使用したこじんまりとしたスペースでの発表は、昨年の「ピッティ・ウオモ」にて、デザイナー自らが一体一体のルックの説明をしたアットホームなプレゼンテーションを彷彿させる。
Courtesy of:Paul Smith
世界各地のマーケットを訪れては、布地やヴィンテージの衣服を掘り出してインスピレーションを得ることが多いポール・スミスは、今シーズン、彼がデザインを始めた頃に、エジプトを旅して手に入れたカイロのストリートフォトブックからのインスピレーションでコレクションを作成。
そこに使われているような、手染めの色合いを感じさせるライムグリーン、フューシャ、コーラルといった温かくノスタルジックな色調が特徴的だ。
ポール自身が撮影した写真の断片を取り入れながら手作業で制作されたコラージュを、シャツやアウター、ネクタイなどにプリントとして施したり、鳥のアップリケのダブルジャケット、スエードでかたどった植物のアップリケが施されたレザーブルゾンなども登場する。
Courtesy of:Paul Smith
テーラリングには、ひねりを利かせて意外性を持たせた。
50年代風のショート丈のジャケットにハイウエストのトラウザーズを合わせたスタイルにはカラフルなプリントシャツを合わせたり、ネクタイの代わりにスカーフをしたり、ピンバッジやメダリオンで飾られたベレー帽をテーラリングに合わせるなどといったアクセントをつけている。
Courtesy of:Paul Smith
また、パンツのベルトループに付けられたお土産物風のヴィンテージテイストのホテルキーフォルダーや、青空市から帰ってきたような、野菜や果物を入れたネットバッグなどの小技の効いたアクセサリーが、ポールが大切にする旅の雰囲気を物語る。
足元には、レーシングドライバーシューズに着想を得た、レザー、メッシュ、スエードといった異素材ミックスのカラフルなシューズを合わせている。
大学卒業後、雑誌編集者を経てイタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、デザイン&インテリア、カルチャー、食、旅などの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。コレクション取材歴は20年。TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントオーガナイズやPR、カタログ作成や翻訳なども行う。
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