
ミラノファッションウィーク2026|PRADAの春夏トレンドを徹底解説
2025年の6月に開催された、「ピッティ・ウオモ」と「ミラノファッションウィーク」のレポートをシリーズで全9回にわたってご紹介します。
取材は現地在住ライターの田中美貴さんにご協力いただきました。
ビジネスファッションをより楽しんでいただけるような、メンズドレスのトレンド情報をお届けします。
※全シリーズをご覧になりたい方はこちら。
ミラノのトレンドセッター的ブランドの「プラダ」。
1913年に革製品店として創業し、創業者の孫であるミウッチャ・プラダがアパレル部門に事業を拡げ、現在もデザインを手掛けている。2020年からはデザインをラフ・シモンズと協業、さらにパワーアップを続けている。
「プラダ」は通常、同社が所有するアート財団である「プラダ財団」にてランウェイショーを行っており、いつも凝った舞台セットが注目される。
が、今シーズンはフラットなスペースに、いくつもの大きな花のラグを並べただけの飾り気のないセット。これは全体的にかなりシンプルで自然体な今シーズンのコレクションのテイストに通じている。
Courtesy of:PRADA
コレクションではスポーツマン、ビジネスマン、ヒッピーなど様々なテイストのメンズスタイルを組み合わせて構成し、絶妙のバランス感を表現している。
Courtesy of:PRADA
特に目を引くのが、子供のようなイノセントな雰囲気を与えるポケット付きブルマと、カラフルな色使いのサイドストライプが入ったトラックスーツ。
前者はタートルネックシャツとボーリングシャツをレイヤードしたトップに合わせたり、エンボス加工やステッチの効いたヴィンテージテイストのレザージャケットとフリンジ付きシャツとコーディーネート。
Courtesy of:PRADA
またはシンプルなスプリングコートやエナメル加工のジャケットなどの様々なトップスに合わせる形で繰り返し登場する。
後者はそのままトラックスーツとしてトレンチコートなどと合わせるパターンもあれば、銀行員風の地味めのテーラードスーツとトップだけをレイヤード、または会場のラグと同じデイジープリントが施されたヒッピーテイストのチュニックなどにボトムだけ合わせたコーディネートもある。
さらに女性服のようなアイテムのカテゴリーもあり、ガーリーな雰囲気のニットや、シャツドレスや50年代風のミニドレス、または長めのタンクトップをワンピースのようにして着たルックも見られる。
全体的にデザインがシンプルな分、カラーパレットは赤、黄、ピンク、そして水色や黄緑のネオンカラーなど鮮やかな差し色を多用している。
お馴染みの三角ロゴなどのアイコンはほぼ使われていない代わりに、「Lover's Lake(恋人の湖)」「Peak's End(頂の果て)」などの詩的なスローガンがピンバッジやTシャツのプリントとして各所に使われている。
Courtesy of:PRADA
小物類ではアウトドアテイストを利かせたバイカラーのナイロンバッグやカラフルな編み込みのランタンハットなどパンチの効いたアイテムを合わせている。
一方で、フットウェアはトングサンダル、ライトソールのスニーカーやローファーなど軽めのものが多かった。
大学卒業後、雑誌編集者を経てイタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、デザイン&インテリア、カルチャー、食、旅などの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。コレクション取材歴は20年。TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントオーガナイズやPR、カタログ作成や翻訳なども行う。
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