結婚式のスーツの正解をプロが解説!マナーやおしゃれな着こなしとは

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結婚式にお呼ばれしたけど、どんなスーツを着ていったらいいのか分からない。でも、せっかくのおめでたい席。どうせならマナーを守ったうえで、おしゃれをして結婚式に参列したい──。結婚式のスーツスタイルにはさまざまな決まりがあり、最低限のマナーを守らないと失礼にあたることもあります。

いざ結婚式に参列して恥をかかないために、ビジネスウェアのオーダー専門店「FABRIC TOKYO」の鈴木悠也(すずき・ゆうや)さんに、結婚式のスーツの正しい着こなしやマナーについてインタビュー。

スーツだけでなく、シャツやネクタイ、靴、バッグにまつわるさまざまな疑問も聞いてきましたので、結婚式の服装で失敗したくない人は必見です!

1. 結婚式のスーツのマナーとは?

「結婚式にどんなスーツを着ていけばいいんだろう」
「ブラックスーツに白シャツ・白ネクタイなら大丈夫かな……」

結婚式に参列するにあたって、スーツ選びに困っている人も少なくないはずです。悩みの種となっているのが「結婚式の服装のカジュアル化」が関係しているのではないでしょうか。

ひと昔前までは、結婚式といえばブラックの無地スーツ(+白ネクタイ)が基本でした。最近では、ネイビーやグレーなどブラック以外のスーツを着て参列している人もいれば、ストライプやチェックなどの柄物のスーツを着て参列している人も見かけます。

「結婚式の服装がカジュアル化しているのは、結婚式会場のカジュアル化が背景にあるんですよ」

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そう話してくれたのは、おしゃれな着こなしが印象的な鈴木さん。大手のアパレル企業でスーツの販売員からキャリアをスタートし、現在は「FABRIC TOKYO」で日々お客さまのスーツの困りごとを解決しています。

「昔だと、結婚式はたとえば帝国ホテルなど格式の高い会場で開催されることが多かったですよね。無地のブラックスーツはもっともフォーマルなスーツですので、これまではマナー的に無地のブラックスーツを着ていけば間違いないとされていました」

「一方、最近はカジュアルなレストランやリゾート地などというように、結婚式の会場が多様化してきました。カジュアルな会場なのに慣例に従ってブラックスーツに白いネクタイで参列すると逆に浮いてしまう。そういった理由もあり、結婚式の服装もカジュアル化してきてるんです」

ここからは、失礼にならないスーツやシャツをシーン別に詳しく聞いていきましょう。鈴木さん、よろしくお願いします!

2. 結婚式のスーツの「色」は?

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ビジネススーツの定番カラーは、ネイビーやグレーなどのダークカラー。では、結婚式でも黒以外のスーツを着用していいのでしょうか。結論を先にお伝えすると、「会場や立場によってはOK」とのこと。

「前提として、スーツは色や柄などの装飾品がつくとどんどんカジュアルになります。逆に、何も装飾がない無地のブラックスーツが一番フォーマルなスーツなんです。なので、『無地のブラックスーツをベースに、会場やシーンに合わせてどこまで色や柄などの装飾品を付けてOKなのか?』。これを考えながらスーツを選べば失敗することはありませんよ」

2-1. 黒(ブラックスーツ)

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(左)ビジネス用 (右)フォーマル用

ビジネス用の黒いスーツと冠婚葬祭用のブラックスーツとでは、同じ黒(=ブラック)でも黒の深さが異なります。ブラックスーツは「墨黒」とも言われる漆黒が特徴です。ビジネス用のブラックスーツではなく、冠婚葬祭用のブラックスーツを着用するようにしましょう。

2-2. ダークスーツ

ダークスーツとはダークネイビーやチャコールグレーなど、暗めのトーンのスーツのこと。シーンによっては、ダークスーツで結婚式に参列するのもOKとのこと。

「友人の結婚式はもちろん、上司の結婚式にもダークスーツで参列するケースが増えています。ただ、上司の結婚式の場合、関係性によってはNGな場合もあるので、ブラックスーツが無難です。ブラウン(茶色)やベージュなどカジュアルなスーツは会場によっては着用してもマナー違反ではありません。ただ、OKな着こなしの難易度が上がるので避けるのがベターです」

3. 結婚式のスーツの「柄」は?

スーツには無地のほか、ストライプやチェックなどの柄物もあります。参列するシーンによってはNGな柄もありますので注意が必要です。

「もし、『チェックがカジュアルすぎる』と不安な方は、ダブルブレスト仕様のジャケットにしたり、ベストを着てスリーピースにしたりするのもあり。スーツの色柄でフォーマル度が薄れた分、フォーマル度の高いダブルブレストやスリーピースで補ってあげる、みたいなイメージですね。ちなみにダブルブレストというのは、ボタンが2列にレイアウトされたジャケットのことを言います」

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(左)ダブルブレスト (右)スリーピース

4. 結婚式用のスーツの「生地」は?

スーツの色や柄のほかにもこだわりたいポイントがあります。それは生地です。スーツは素材によって見え方が大きく異なります。とはいえ、普段スーツを着る人でも「そこまでこだわったことはない」という人も少なくないはず。

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「基本的にはウール100%か、ウールが混紡された生地がおすすめです。ウールは手触りが滑らかで、かつ艶があって見た目も上品なので、結婚式にはぴったりな生地です。ウール以外だと、たとえばポリエステルが混紡されたスーツもありますよね。ポリエステルはシワがつきにくかったり耐久性に優れていたり。機能性を高めるなどといったメリットがあります。機能性を重視するとそれに伴ってカジュアルになる傾向にあるので、結婚式に着ていくならポリエステルではなくウールのスーツがおすすめです」

5. シーン別おすすめのスーツ

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結婚式のスーツはシーンや立場によって正解が異なります。基本はブラックスーツを着用すれば失礼にはあたりませんが、シーンや立場によっては華やかな装いでおしゃれを楽しみたいもの。ここではシーン別におすすめの結婚式スーツを紹介します。

5-1. 親族の結婚式

きょうだいやいとこなど、親族の結婚式に参列する場合はブラックスーツが基本だそう。

「ブラックスーツに白シャツ、白かシルバーのネクタイ、白チーフで揃えた着こなしがベスト。冠婚葬祭用のブラックスーツは1着持っておくと重宝します。余裕を持って揃えておくのがおすすめです」

5-2. 上司の結婚式

上司の結婚式でもブラックスーツが基本とのことですが、関係性によっては少しカジュアルな装いを取り入れても良いそうです。

「上司の結婚式ならブラックスーツがベターですが、ダークスーツで参列するケースが増えています。関係性によってはNGな場合もあるので、不安な方はブラックスーツが無難です。上司との関係性によっては柄物もOKです。ただ、チェックは装飾のひとつなので、無地よりもカジュアルな印象になります。たとえば、チャコールグレーのスーツにグレーのチェック柄が織られているようなものなど、そこまで目立たない同色のチェックが良いかもしれませんね。上司の結婚式となると、ほかの参列者が年上の場合が多いので、こういった細かいポイントも押さえるのは重要だと思いますよ」

5-3. 同僚・友人の結婚式

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同僚や友人の結婚式に参列するなら、親族や上司よりもおしゃれを楽しみたいところ。どこまでカジュアルダウンしていいのでしょうか。

「ブラックスーツでも構いませんが、ダークネイビーやチャコールなどのダークスーツでも問題ありません。ブラウン(茶色)やベージュなどカジュアルなスーツは会場によっては着用してもマナー違反ではありません。ただ、OKな着こなしの難易度が上がるので避けるのがベターです」

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「結婚式といえばシルバーグレーのネクタイが主流ですが、同僚や友人の結婚式には少しフォーマルすぎますよね。なので、ピンクやブルー、イエローなどのネクタイでカジュアルダウンすると、おしゃれも楽しめて華も添えられる。ドット柄のネクタイなどもおすすめですね。あとはポケットチーフ。白のチーフが基本ですが、柄物を取り入れるなどすると華やかさが増しますよ」

6. 結婚式の服装。よくある疑問×6

結婚式の服装は分からないことがいっぱい。少し間違えるだけでマナー違反になることもあるため、最適な着こなしをしっかりと把握しておきたいところ。ここでは、結婚式の服装に関する疑問を6つ紹介します。

6-1.「結婚式にビジネススーツはあり?」

普段、仕事でスーツを着る人のなかには、仕事用のスーツを着て結婚式に参列している人もいるのではないでしょうか。鈴木さんによると、「結婚式にビジネス用のスーツを着用するのは“条件付きで”あり」とのこと。気になる条件とはいったい?

「たとえばチェックなどの柄物のスーツの場合、無地のシャツ&ネクタイを選ぶとカジュアルさが薄れて結婚式にも通用する着こなしになります。また、ダブルカフスのシャツやシルバーグレーのネクタイだと、よりフォーマルな装いになるのでおすすめです。ただ、冠婚葬祭用のブラックスーツを着ている人よりはフォーマル度が薄まるので、せっかくの晴れの日でしたらできればビジネススーツではなく冠婚葬祭用のブラックスーツが理想です」

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6-2.「結婚式向けのジャケットのボタンの数は?」

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ジャケットには1つボタンや2つボタン、3つボタンがあります。ボタンの数も悩みの種の一つですが、結婚式に最適なボタンの数はいくつなのでしょうか。

「結論としては、1つボタンか2つボタンが正解です。ボタンも装飾品の1つなので、数が増えるにつれてカジュアルになっていくんです。なので、1番フォーマルなのが1つボタン、その次が2つボタン。結婚式にはこのどちらかが良いと思います」

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段返り3つボタン

「3つボタンは軽快でカジュアルなイメージがあるので避けるのがベターです。ただ、なかには『段返り3つボタン』といって、1番上のボタンが襟で隠れていて、ぱっと見は2つボタンに見える3つボタンのジャケットもあるんです。ビジネスでも兼用できるスーツが欲しいならこの『段返り3つボタン』でもありですが、おすすめは1つボタンか2つボタンですね」

6-3.「結婚式のシャツは白ならOK?」

スーツだけでなく、シャツも何を着ていこうか迷ってしまいますよね。シャツにも正解があれば、マナー違反になるシャツもあります。鈴木さんいわく、「結婚式ならブロードシャツが基本」とのこと。

「基本的には結婚式などのフォーマルシーンにもよく着用される白のブロードシャツです。ブロードはつるっとしていて質感の柔らかい生地で織られています。とくに、カジュアルな雰囲気のあるチェックスーツを着用するならブロードのようなフォーマルシャツを選ぶのがおすすめです。スーツのチェックで全体が少しカジュアルになった分、フォーマルなシャツを合わせるなどバランスを考えるとコーディネートしやすいですよ」

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ボタンダウン

一方、ビジネスでよく見るオックスフォードシャツとボタンダウンは避けるのがベターとのこと。どうしてでしょうか。

「オックスフォードはブロードとは逆に硬めの生地で織られていて、カジュアルになってしまうので結婚式向きではありません。また、首元にボタンがついたボタンダウンタイプのシャツも結婚式には向いていません。装飾品がなければフォーマルになるとお伝えしましたが、ボタンも装飾品ですよね。ボタンダウンはカジュアルなシャツに分類されますので、結婚式にはおすすめしません」

6-4.「結婚式にポケットチーフは必要?」

ポケットチーフはゲストとして感謝の気持ちを表すのに欠かせないアイテムです。しかし、なかにはポケットチーフのコーディネートに悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

「ネクタイとチーフのコーデに悩む方も多いと思うのですが、難しく考えなくて大丈夫です。というのも、スーツをコーデするときに『3色2柄』というルールがあって。コーデに使う色は3色まで、柄は2柄までにするときれいにまとまりますよ。なので、ネクタイに使われている色をもとにチーフを選べば、意外と簡単に着こなせるんです。トライしてみてくださいね」

6-5.「結婚式にビジネスバッグってあり?」

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結婚式当日、自宅を出るタイミングで迷いがちなのがバッグです。結婚式用にバッグを用意していない人のなかには、普段仕事で使うバッグを結婚式で使っている人もいるのではないでしょうか。では、それがOKなのか、NGなのか。鈴木さんに聞いてみましょう。

「答えはNGです。ビジネスバッグだとどうしても“仕事帰り感”が出てしまうんですよね。せっかくのおめでたい席なので、仕事帰り感が出るビジネスバッグは避けるのがベターです。結婚式なので荷物と言ってもご祝儀や財布がメインですよね。それくらいならバッグは持たずにジャケットの内ポケットに入れてOKです。くれぐれも腰ポケットには入れないようにしてくださいね。腰ポケットに入れるとジャケットが破れる原因になるだけでなく、せっかくのスーツのきれいなシルエットが乱れてしまいますから。内ポケットでお願いします」

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「もし荷物が多くてどうしてもバッグが必要な場合はクラッチバッグならOKです。その場合はナイロンなどのカジュアルな素材ではなく、革製のフォーマルなクラッチバッグを選ぶようにしてくださいね」

6-6.「結婚式にはどんな靴を履いていけばいい?」

意外とおろそかになりがちなのが靴。せっかくおしゃれなスーツにシャツ、ネクタイを合わせても、靴が正しくコーディネートされていないと残念な着こなしに……。おしゃれは足元からとはよくいうものの、結婚式にはどんな靴を履いていくのが正解なのでしょうか。

「基本はブラックの革靴で、全体のコーディネートによってはダークブラウンの革靴を合わせるのがいいと思いますよ。明るいブラウンの靴を合わせる方もいらっしゃるのですが、明るいブラウンはコーディネートが難しいんです。基本は黒の革靴で、少し遊びを取り入れたいならダークブラウンの革靴がおすすめです」

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「靴のデザインとしては、ストレートチップのプレーントゥが結婚式には適しています。ストレートチップはつま先の部分に一本のラインが入ったデザインの靴のこと。プレーントゥはつま先部分に装飾が施されていないシンプルなデザインの靴のことを言います」

7. FABRIC TOKYOならスーツ1着38,000円からオーダーできる

結婚式会場のカジュアル化に伴い、スーツをはじめとした服装もカジュアルな傾向になってきています。しかし、親族や上司、友人など、参列する結婚式のシーンによってマナーは異なります。

カジュアル化してきたとはいえ、最低限のマナーを守らないと失礼にあたることもありますので、十分に注意してスーツ選びをするようにしてくださいね。

「スーツの正しい着こなしやマナーについていろいろご説明しましたが、一番大事なのはサイズだと思います。たとえば、ジャケットの着丈が短すぎてお尻がプリンって出ていたり、スラックスの太もも部分がぱつぱつで窮屈な感じになっていたり。そういうサイズ感がお好きな人もいるとは思いますが、ジャケットが短すぎるよりはお尻が9割くらい隠れる着丈にしたり、スラックスもパツパツよりは足のラインが出ないくらい余裕があってストンって落ちる太さにしたり。サイズ感に気をつけるだけで格好良く着こなしているように見えるんですよね」

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「スーツって肩幅はもちろん、身幅やお腹周りのサイズなど、すべてのサイズが大事なんですよね。スーツの色や柄、シャツ、ネクタイなどの着こなしももちろん大事ですが、それよりも自分にぴったりのサイズ感のスーツを着ることのほうが大事だと思います。結婚式にはみんな同じようなスーツで参列するので、少しでも周りと差をつけたい場合はサイズ感にこだわってみてはいかがでしょうか」

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FABRIC TOKYOはビジネスウェアのオーダー専門ブランドです。スーツはもちろん、シャツやカジュアルジャケット、カジュアルパンツ、チノパン、セットアップなどもオーダー可能です。20代〜40代のオーダー初心者の方にも多くご利用いただいています。

◎「FABRIC TOKYO」が選ばれている理由

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2.スーツが1着38,000円〜
「FABRIC TOKYO」では中間業者を介すことなく最短ルートで工場とお客さまをつなぐことで、品質にも妥協することなく、スーツ1着38,000円から体験できるオーダーメイドを実現しています。

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着心地やサイズ感に違和感がある場合は、お届けから50日間は無料で1回までサイズのお直しをさせていただきます。オーダー初心者でも安心してオーダーできます。

◎購入の流れ

「FABRIC TOKYO」のカスタムオーダー商品をご購入いただくには、採寸とサイズ登録が必要です。採寸にかかる時間は約30分。「まずはサイズ登録だけして、家でじっくり商品を検討したい」というご要望も承っております。

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